塵芥車(じんかいしゃ)もしくは塵芥収集車と呼ばれるゴミ収集車は、ごく身近な特装車で、子供たちにもとても人気があるクルマだ。そんなゴミ収集車の中でも、世界の最先端を行くといわれるヨーロッパのゴミ収集車を見てみよう。
多くの国からなるヨーロッパは、国ごとにゴミ収集の事情も違うはずだが、塵芥収集車メーカーは概ねドイツ、スウェーデン、フランスなどに偏在している。しかも、近年では塵芥車メーカーのグループ化が進む。
いっぽう塵芥車は、ゴミ箱ごと持ち上げて収集する装置を搭載した「フロントローダー」「サイドローダー」「リアローダー」などが普及し、シャシーは軽トラ〜大型トラックまでさまざまな塵芥車が存在。
また環境先進国の多いヨーロッパでは、最近になってBEV塵芥車が続々とデビューを果たしている。さまざまな形、さまざまな機能が集うヨーロッパのゴミ収集車をご紹介しよう。
文/緒方五郎
*トラックマガジン「フルロード」~世界の特装車~より
■ヨーロッパの2大塵芥車メーカー
ヨーロッパの塵芥車メーカーはドイツのキルヒホフ・グループ、スペインのロスロカ・エンヴァイロメントが2大グループを構成。
キルヒホフ・グループは、ファウン・ウンヴェルトテヒニクとツォエラー・グループ(オランダ・ハラー、フランス・SEMAT、オーストリア・ストゥンマー、ポーランド・エコセルなど)、トルコのハイドロ・マクといった環境車両メーカー大手を傘下に加える。
いっぽうロスロカ・エンヴァイロメントは、ドイツ・HSファールツォイクバウ、イギリス・デニスイーグル、フランス・エウロヴォワリ、ブラジル・ウジメカなどをグループに持つ。
その他のヨーロッパの塵芥車メーカーとしては、オランダのヘーシンクノーバなどがある。