連結全長32メートル・総重量74トン!? 電動化が本格化する欧州で長大な「EVトレーラ」が相次いで登場!

本場スウェーデンではさらに長い電動トラックも

連結全長32メートル・総重量74トン!? 電動化が本格化する欧州で長大な「EVトレーラ」が相次いで登場!
ボルボFHエレクトリックとトレーラ2台の組み合わせ。40フィートコンテナ2台を同時に運ぶことができる

 いっぽう、トレーラ長大化の本場とも言うべきスウェーデンでは、ボルボ・トラックスが、連結全長32メートル・GCW74トンの超長大電動トラックを運送会社に納車したことを(DAFのリリースと同日付で)発表した。

 公開された写真では、BEVトラクタにセミトレーラ2台が連結されている。トレーラには海コンが載っており、「45G1」の表記から40フィートハイキューブ(背高)コンテナだとわかる。

 ますます多くの運送会社がBEVトラックに投資するなか、重量物輸送も例外ではなくなって来た。電動のボルボFH3台を購入したのは、スウェーデンのヨーテボリを本拠とする運送会社のマットソン・アケリだ。

 これらのトラックはヨーテボリのアーレンダール港湾地区で実用試験を行なっている。試験は、いわゆるHCT(ハイ・キャパシティ・トランスポート)プロジェクトに関するもので、1台のトラクタで2台のセミトレーラをけん引することを目指している。

 HCTは車両の規制緩和により、トラック輸送の効率を向上するプロジェクトで、BEVを含むあらゆるドライブラインが対象。輸送コストの削減は、環境インパクトの低減と安全性の向上、道路の摩耗とメンテナンスコストの低減につながるというのが基本的な考え方だ。

 欧州では複数のHCTプロジェクトが始動しており、フィンランドではGCW76トン・全長34.5メートルという長大トラックが許可されている。

 いっぽうスウェーデンでは「耐荷重クラス4(BK4)」の路線(同国では道路や橋梁保護のため、路線に耐荷重等級が設定されている)において、GCW74トンが試験的に認められている。また、一部の道路については当局から許可を受ける必要があるが、100トン/34.5メートルの車両まで認められるそうだ。

 マットソン・アケリが購入したBEVトラックは、ボルボFHエレクトリックの6X4トラクタで、同社がアーレンダールに保有する自社の180kWチャージャー2基を使って充電する。導入から数週間が経過した段階では、途中充電とドライバーの休憩時間を含めて一日に12時間の運行を行なっているが、これまでに問題は起きていないという。

 今のところディーゼル車と同等の貨物量を運べているそうで、将来的には、ヨーテボリから70kmの位置にあるボロース市との間を往復する予定だ。

 ボルボとしても完全電動ソリューションが長大トレーラによる重量物輸送や稼働率の高い輸送にも対応できることを示したいという考えで、効率的な充電方法など、実運行におけるBEVトラックの最適化に注目しているようだ。

【画像ギャラリー】ダフ&ボルボ 電動化される欧州の長大トレーラを画像でチェック!(7枚)画像ギャラリー

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