ユーグレナのバイオ燃料への挑戦
ユーグレナといえば、理科の授業でもお馴染みミドリムシなどの微細藻類を活用した、健康食品、化粧品で一世を風靡したヘルスケア商品の会社。
2010年からエネルギー・環境事業へ参入しており、バイオジェット燃料の研究を開始し、2014年には、いすゞと次世代バイオディーゼルの共同研究契約を締結。「DeuSELプロジェクト」をスタートさせた。
そしていすゞとの実証実験を経て、2018年に生物資源のミドリムシと廃食用油を原材料にした、バイオ燃料(次世代バイオディーゼル・バイオジェット燃料)の実証製造プラントを横浜(鶴見区)に竣工。2020年から次世代バイオディーゼル、2021年からバイオジェット燃料の供給を開始している。
なお、いすゞとユーグレナ共同の商標の次世代バイオディーゼルは「DeuSEL」、ユーグレナブランドとして販売する次世代バイオディーゼル・バイオジェット燃料は「サステオ」と差別化されている。
DeuSEL、サステオはいすゞ自動車をはじめ、これまでに50社以上の車両、船舶、鉄道、飛行機などで使用されてきており、今後も日本の代替燃料の選択肢としてバイオ燃料に注目する企業も増えそうだ。
いっぽうで、バイオ燃料の供給量と販売価格には課題がある。横浜の製造プラントの生産能力は一日あたり5バレル(約795L)、年産では125kL(125,000L)と、決して多いとは言えない。
また製造コストも高く、一例としてユーグレナの次世代バイオディーゼルを国内で唯一、一般販売している中川物産、名港潮見給油所(名古屋市)の販売価格はリッターあたり300円(軽油との混合比率20%で販売)ほど。ディーゼル燃料と比べればかなり割高である。
そうした中ユーグレナは、2025年末までに横浜の実証製造プラントの2000倍の生産能力を持つ、商用プラントを完成させる予定であるとし、製造コストも今の100分の1になることが想定されているという。
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