■定速走行の邪魔をしないでください!
割り込みや駐車枠の問題は「マナー」というより「交通ルール」に近いのかもしれないが、一定速度での運転というのはもう少しだけ高度な技術を要する。
プロではない一般車でこれができるのはスゴイと話すのは、航空貨物を運んでいるかつきさんだ。
「免許を持っている人なら誰でもわかっていることに比べたら、定速走行はちょっと高度な技術かなと思うんです。
プロドライバーは考えることなくできていることですが、安定した速度で走ることで燃費は向上し、急加速・急ブレーキが減るのでクルマは傷まず、事故や渋滞も減る。一人ひとりが自分の走る速度に意識を向けるだけで、どれほど快適なクルマ社会になることか。
仕事として走るわけでもないのに『ちょっと気をつけてみようかな?』と思って、実行に移しちゃったりしたら尊敬します。プロドライバーから『かっこいい運転してるな!』と思われる一般ドライバーが増えてくれたら良いなー」
北海道で大型トラックを運転する菊地さんも速度に意識を向けてほしいと話す。
「地方では単車線が多くありますが、大渋滞を作っておきながら、追い越し車線が始まると速度を上げ、後ろのクルマを追い越させない輩がいます。いったい何を考えているのでしょうか。
登坂でもないのに遅くなり後続車に何度もブレーキを踏ませ、かと思えば制限速度を大幅に超えて飛ばし、トンネルに入ったとたんに減速する……。スピードに激しいムラのある人は厄介です。
あと、高速道路の加速車線の存在理由を理解していないドライバー。大型車は時速80kmで走行していますから、開始地点で本線の大型車と並んだとしても、ランプロードが終わるまでに時速100kmまで加速すれば何の問題もなくトラックの前に入れるはずです。なのにトラックよりも遅い速度のまま、途中で鼻先に合流してくる普通車が絶えません」
トラックドライバーからの「乗用車に直してほしい運転マナー」を集めたが、共通している項目も多い。同じ道路を利用する「相手」の目線を知ることが、スムーズで安全な交通につながればと思う。