8月デビューの改良モデルT810M
T810Mは、タトラが設計したラダーフレームとハブリダクション付ポータル型リジッドアクスルや前輪コイルスプリングリジッドサス/後輪リーフスプリングリジッドサスはそのままに、エンジンの変更、キャビンのマイナーチェンジ、そして最大積載量をプラス500kgの5.2トンにアップするとともに、GVWも14トンに拡大(従来はGVW13トン)した改良モデルだ。
新エンジンは、Euro-III(3)適合のルノートラックス製7.7リッター直6インタークーラーターボ付のDTI8型(ボルボD8型)で、最高出力280PS・最大トルク107kgmへとプラス40PS・プラス13.2kgmそれぞれ増強した。ちなみに、DTI8型はボルボグループ共通エンジンだが、原設計はUDトラックスが開発したGH8型である。
トランスミッションはZF製の6速MT、トランスファーもZFシュタイア製を搭載。センターデフロック機能と後車軸のアクスルデフロック機能を備えており、最大登坂能力60%、超堤能力480mm、超壕能力900mm、水深1.2mの走破力を有する。最高速度は100km/h以上だ。
ルノートラックス製キャビンは、従来と同様「レンジD(旧ミッドラム)」の3人乗りタイプだが、フロントグリルはタトラオリジナルで、新型の「フェニックス(T158)」などと通じるデザインになっている。また、室内は冷暖房完備で高い居住性をもつ。広報写真はサンプルカーと思われるが、運転席にベルトインシートを装備していることもうかがえる。
スペック的にはいすゞSKWとよく似たT810Mだが、3軸6×6以外にも2軸4×4車型を設定、輸出市場(チェコ軍では4×4車型を採用していない)を意識しているあたりは、古くからの防衛産業国であるチェコらしいところだ。
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