チェコの大型トラックメーカー・タトラは、世界で唯一のシャシー構造がもたらす傑出した走破性で有名だ。しかし、そのタトラにおける例外が、「T810」というモデルである。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/TATRA Trucks、フルロード編集部
自衛隊の『3トン半』に近いサイズ感の6×6トラック
タトラ810(T810)は、同社の大型トラックの中ではもっとも軽い車両総重量(GVW)13~15トン級の3軸総輪駆動(6×6)トラックで、日本でいえば自衛隊のトラックとして知られる『3 1/2tトラック』こと「いすゞSKW」と近似した規模をもち、T810も主なユーザーはチェコ共和国軍である。
T810がユニークなのは、タトラ車でありながら、その最大の特徴たる「チューブラーセントラルバックボーンフレーム」「スイングアクスル式独立懸架」を『使っていない』という点だ。
その代わりに採用しているのが、ラダーフレームとリジッドアクスルである。つまり世の中のほとんどの大型トラックが用いているシャシー構造をもった、珍しいタトラ車なのだ。
ちなみに、チェコ軍の大型トラックとしては、同じタトラの「T815」という、T810よりサイズも重量も大きいトラックがあって、その配備数ははるかに多い。そしてT815は『典型的なタトラ車』である。
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