1台1台がこだわって作られる

架装ベースとなるトラックは国産車が大半。フレームの補強や延長または短縮など、大幅なシャシー改造を伴うケースがほとんどだ。レッカー装置とともに架装されるリアボディは、作業用の資機材を積み込むための収納庫が作りつけられており、基本的にオーダーメードである。
一品生産かつ特殊な架装内容ゆえに、レッカー車を製作できる架装事業者は国内でも限られている。そのため、レッカー車の入手には相応の時間とコストが必要であるが、それだけに1台1台がこだわって作られている。
日本のレッカー車のアンダーリフト/ウインチブームは、小型から大型まで、米国の最大手メーカー・ミラーインダストリーズ社の製品が、もっとも多く使われている。ほとんどがレッカー装置(大型はリアボディも付属)のみ輸入し、国内事業者で架装工事を行なうパターンだが、欧州で架装作業を行なった日本市場向け完成車(欧州製大型トラックベース)の輸入も行なわれている。
国産メーカーは、規模こそ大きくないものの数社が存在し、根強い支持がある。かつては、大手クレーンメーカー・タダノが大型および中型のトラッククレーン付レッカー車を完成車供給し、小型レッカー装置も生産していたが、現在この市場からは撤退している。
いっぽうで、オランダ、イタリア、フランス、中国などのレッカー装置を輸入する企業が現れており、少しずつ市場が変化している。
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