バッテリーEVトラックはコスパ悪すぎ! CO2削減コストは「RD」の5.8倍でディーゼル車のほうがマシ!?

RDにも課題がある

バッテリーEVトラックはコスパ悪すぎ! CO2削減コストは「RD」の5.8倍でディーゼル車のほうがマシ!?
BEVとICE-RDのコスト比較。コスト面では既存の車両やインフラがそのまま使えるメリットは絶大だ。燃料価格を調整するための助成金や増産のための設備投資を含めてもICE-RDのトータルコストはBEVの約6分の1となる

 長距離輸送の脱炭素においてはBEVより圧倒的にコストパフォーマンスに優れているRDだが、もちろん課題もある。

 現状では需要を満たすだけの原材料は確保できているが、このまま消費量の拡大が続くと、供給力が足りなくなる。様々なバイオマスを資源に変えるための研究・開発も重要だ。

 RD市場に公的資金(補助金・税控除など)が与える影響については研究が充分ではない。少なくとも公的に奨励する方向性は明確だが、市場が成熟する前に公的補助がなくなれば、市場が縮小に転じる恐れがある。原材料がほとんど同じ「SAF(持続可能な航空燃料)」との競合も、RDの供給においてはリスクとなる。

 レポートはRDの安定供給のために、原材料を分散するための研究開発を続けること、RD市場を継続的に支援すること、特定の業界を決め打ちした政策を避けることなどを挙げている。

 ほかに、BEV化の受益者がほぼ都市部に限定されるのに対し、RDの消費拡大は地方の活性化につながることや、地政学的な影響を受けやすく不安定な原油市場に対するエクスポージャーを減らす効果もあるとした。

 コスパが良くドロップイン可能なバイオ燃料としてRD=再生可能ディーゼルを活用する動きは、今は米国内のトレンドにとどまっているが、今後、日本や世界に波及し、トラックの脱炭素のあり方自体を変革する可能性を秘めている。

【画像ギャラリー】コスト面の優位性は明らか? BEVとICE-RDの比較(11枚)画像ギャラリー

最新号

【解説&試乗】日野プロフィア2024年モデル フルロードvol.55 本日(12/10)発売!!

【解説&試乗】日野プロフィア2024年モデル フルロードvol.55 本日(12/10)発売!!

今号では、昨年2月中旬から出荷を再開した日野プロフィアの2024年モデルに試乗。燃費性能と安全性能もアップし、新設計AMTで走りも別モノに進化した新モデルの実力に迫ります。また、「だれでもトラック」いすゞエルフミオEVの公道試乗を実施。AT限定普通免許で運転できるEVトラックの魅力をお伝えします。大好評の「働くクルマの大図鑑」は、飲み物を運ぶその究極のカタチ「ボトルカー」を特集しました。ボトルカーの構造から製造工場のレポート、知られざる歴史、さらにはeキャンターのボトルカーの試乗レポートまで盛りだくさんの内容になっています。