RDにも課題がある
長距離輸送の脱炭素においてはBEVより圧倒的にコストパフォーマンスに優れているRDだが、もちろん課題もある。
現状では需要を満たすだけの原材料は確保できているが、このまま消費量の拡大が続くと、供給力が足りなくなる。様々なバイオマスを資源に変えるための研究・開発も重要だ。
RD市場に公的資金(補助金・税控除など)が与える影響については研究が充分ではない。少なくとも公的に奨励する方向性は明確だが、市場が成熟する前に公的補助がなくなれば、市場が縮小に転じる恐れがある。原材料がほとんど同じ「SAF(持続可能な航空燃料)」との競合も、RDの供給においてはリスクとなる。
レポートはRDの安定供給のために、原材料を分散するための研究開発を続けること、RD市場を継続的に支援すること、特定の業界を決め打ちした政策を避けることなどを挙げている。
ほかに、BEV化の受益者がほぼ都市部に限定されるのに対し、RDの消費拡大は地方の活性化につながることや、地政学的な影響を受けやすく不安定な原油市場に対するエクスポージャーを減らす効果もあるとした。
コスパが良くドロップイン可能なバイオ燃料としてRD=再生可能ディーゼルを活用する動きは、今は米国内のトレンドにとどまっているが、今後、日本や世界に波及し、トラックの脱炭素のあり方自体を変革する可能性を秘めている。
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