「トラックドライバー不足」が深刻化しているが、ドライバーへのアピールという効果を狙ってスカニアのトラックを導入する運送会社も増えているようだ。
スカニアジャパンは2023年11月、パワートレーンを刷新した新型「スカニア・スーパー」シリーズを日本国内でも発売した。本国スウェーデンでは2024年1月に、どういう訳だか「スカニア・スーパー」と「クロスカントリースキーヤー」を比較する動画を公開した。
トラックとスキーの共通点とは?
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/Scania CV AB
スカニア・スーパー vs スキーヤー
スウェーデンを本拠とするスカニアは大型商用車の専門メーカーで、最近は日本でもスカニアのトラックを目にする機会が多くなった。
国内では昨年11月にパワートレーンを刷新した新型「スカニア・スーパー」シリーズが導入されたばかりで、新DC13型エンジン単体で正味熱効率(BTE)が50%に達するという優れた燃費性能にも注目が集まっている。
いっぽうで、スウェーデン本国のスカニアグループは最近、スカニア・スーパーとスキーを比較するという謎の(?)動画をYouTubeに投稿した。
最新の大型トラックとクロスカントリースキーの選手には何か共通点があるだろうか? スカニア曰く、答えは「イエス」だ。思ったより多くの共通点があるらしい。
スカニアがスウェーデンのナショナル・クロスカントリー・チームの有名スキーヤーと新型スカニア・スーパーを比較した結果、「効率」「汎用性」「推進力」「空力」において似ていることがわかった。
そして、どちらも「スーパー」だった。
Super Athlete vs Super Truck – スカニアが公開した動画
比較結果
効率
クロスカントリースキーのアスリートは、レース全体を通じてパフォーマンスを発揮するために、できるだけエネルギーを効率的に使う必要がある。
スカニア・スーパーのテクノロジーは、トラックをより効率的に動かすためにある。優れたドライバーが運転すれば、前世代のトラックと比べて8%の燃費向上が可能だ。
汎用性
スキーヤーは、下り坂から上り坂まで地形に合わせて滑り方を変える。
パワートレーンを刷新したスカニア・スーパーはあらゆる仕事に適応する。同社史上最高の新型エンジンにより、地場輸送から長距離輸送、重量物輸送まで、それぞれに適した走り方ができる。
推進力
スキーヤーは異なる種類の「ギア」を持っている。普通に進む時は「ギア3」、登り坂は「ギア2」、急坂やスラロームは「ギア1」として、これらのギアを使い分ける。
スカニア・スーパーはエンジンに合わせてギアボックスも新開発した。ギアチェンジはスムーズで、地形に合わせて自動で変速する。これにより優れた制御と快適性を実現している。
空力
スキーヤーが下り坂で体を小さく縮めるのは、空気抵抗を低減するため。これによりダウンヒルでは可能な限り加速する。
スカニア・スーパーはこれまでのスカニアのトラックと同様、できるだけ空気抵抗を小さくするように設計されている。ただし、トラックは制限速度を守らなければならないので、下り坂で加速しすぎないようにパワートレーンのエネルギーをエンジンリターダーによって調整し、一定速を保つ。アスリートは制限速度について考えなくてもよいので、この点は異なっている。
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