東日本高速道路、中日本高速道路、西日本高速道のNEXCO3社は、高速道路のSA・PAにおいて顕在化している大型車駐車エリアの混雑に対し、大型車駐車マスの拡充の取組みを進めている。
いっぽうで、休憩施設駐車場から溢れたトラックが路肩に止まっている姿はまだ多く見られるが、今後の駐車マス拡充計画や現状の課題はどうなっているのか? NEXCO3社がとりまとめた、2022年度の拡充実績および2023年度の拡充予定を紹介しよう。
文/フルロード編集部、写真・図/フルロード編集部・NEXCO3社・写真AC・Adobe Stock(トビラ写真:naka@Adobe Stock)
駐車マス拡充の実績と今後の予定
NEXCO3社では、高速道路の休憩施設駐車場について、2018年度から駐車マスの拡充・レイアウト変更を進め、これまでに兼用マス、ダブル連結トラックマスを含む約3000台分の大型車駐車マスを増設してきた。
このうち2022年度は既存エリア内での小型車マスから大型車マス(あるいは兼用マス)への描き換え等により、全国21カ所のSA・PAにおいて、大型車マス373台の拡充が完了。
また2023年度には全国37カ所のSA・PAにおいて約600台の大型車駐車マスの拡充を進める予定としている。
いっぽうで休憩施設の敷地は限られていることから、駐車マスの増設やレイアウト変更による対策には限界も見えてくる。
そのため、現在、有識者及び独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構、NEXCO3社で実施している検討会で、休憩施設以外の高速道路事業用地などを活用した大型車マスの増設が検討されている。
不適切な駐車マスの利用
課題としては、たびたび問題視されてきたように大型車マスに普通車、あるいは普通車マスに大型車が駐車するなどの不適切な利用のために、本来駐車できる車両が駐車できない状況が依然として発生している。
特にトレーラ専用マスに他の車両が専有しているケースでは、停められないトレーラが大型マス2台分の駐車枠を使用するといった場合もあり、駐車マス不足に拍車をかける要因にもなりかねない。
トラックは連続して運転できる上限が4時間で、それ以上運転する場合は30分の休憩等(2024年4月からは「等」ではなく「休憩」となる)を挟むことが定められている。また1日の休息期間も連続8時間以上を取らなくてはならない。
停まらなければならないのに、駐車場に空きがない。冒頭で記した路肩にとまっているトラックはそんな「しかたなく」といった理由も多いだろう。
また、近年は連結全長が21〜25mと長大なフルトレーラ・ダブル連結トラックでも21m超車両優先マスに他の車両が駐車して停められないというケースも増加している。
同車両は現在全国で200台以上が稼働しているとみられ、稼働台数が増加するとともに駐車場の確保が喫緊の課題にもなっている。
こうしたことを受け、NEXCOでは一部のSA等でダブル連結トラックの駐車枠を予約できる実証実験もスタートさせているが、それでも予約マスに他の車輌に駐車されるケースも発生している。
また、現在、普通車と大型車のどちらでも利用できる兼用マスの整備が進められているが、本来の機能が発揮できない事例も見受けられる。
NEXCOでは兼用マスの利用にあたっては、まずは普通車、大型車それぞれの駐車マスを優先的に利用し、それぞれの駐車マスが満車の場合に兼用マスを利用することを呼びかけるとともに、普通車には兼用マスにおける縦列駐車の協力をお願いしている。
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コメント
コメントの使い方そうそう、勝手に大型車のとこに停める輩が多すぎるのよ。写真にもあるけど大体外車。日本車だとトヨタ以外。皆さんルールは守ってね。あんたらの生活支えてるのは誰なのかよく考えてね。
休憩もあるけど、工場周りは時間待ちの駐車がなんせ多い。右折専用レーンに駐車しているトレーラー見たときは、ここまで来たかと仰け反った。