マッシヴなキャブに刮目! 中国・慶鈴いすゞのギガは迫力が違う!【世界を走る日本のトラック】

 日本のトラックは海外でも数多く用いられています。日本とは異なる環境、国情、法規から、いっけん国内で使われているクルマと似ていても、大きく違った「日本車」な場合もあります。「世界を走る日本のトラック」では、そんな日本生まれ、場合によっては日本で生まれてもいない海外向けトラックをご紹介します。

 「ギガ」といえば、いすゞ自動車の大型トラックとして有名ですが、中国でも現地生産されています。その名は「巨加(※本来の文字は「口へんに加」)」と書いてギガ! 迫力ある漢字の字面が魅力的ですが、スタイリングも迫力アップで実にカッコいいのです。

文/緒方五郎、写真/いすゞ自動車、慶鈴汽車

【画像ギャラリー】いすゞ「ギガ」がヨーロッパ風になって迫力アップ!? 必見!慶鈴いすゞ「巨加※」のスタイリング!!(4枚)画像ギャラリー

よりマッシヴでヨーロピアンなギガ!?

巨加※6×4セミトラクタ。ハイルーフ二段ベッド付キャブは空気抵抗を抑えたデザインで、写真はさらにディフレクターを装着したもの

 いすゞ自動車は現在、中国で二つの合弁メーカーからトラックを供給しています。一つは重慶汽車集団との合弁・慶鈴汽車から、もう一つは江鈴汽車集団との合弁・江西五十鈴汽車からです。

 「巨加※」は、現行型「ギガ」をベースに、いすゞと慶鈴汽車が中国市場向けに共同開発した大型トラックで、2017年から慶鈴汽車で生産・販売されています。

 国内向けギガにはない「巨加※」の特徴の一つが、フルキャブよりキャブの前後長が約25センチも大きい「二段ベッド付キャブ」が設定されていることです。これは中国の長距離運行ニーズに対応するため、専用に開発されたキャブなのです。

巨加*の二段ベッド。ドライバー2名乗車時の居住性を高めるため、約25センチものキャブ延長バージョンが開発された

 キャブ前後長が後方へ拡大したぶん、フェンダー後部も延びてタイヤを囲むようなデザインへと仕上げられ、また背の高いハイルーフ部分は、キャブと一体感のあるデザインを採用しており、国内向け以上にマッシヴさが際立つ、とても魅力的なエクステリアになっています。

 なお「巨加※」のハイルーフは、大人が楽に立てるほどの室内高を確保していますが、二段ベッドこそないものの同様のコンセプトは、国内向けのギガやフォワード・ワイドキャブにも導入されました。

 また、従来モデルは日本式のミラー類を装備していましたが、「巨加※」ではドアミラーやフロントバイザーなどを標準装備しているのもポイントです。中国大型トラック市場は急速に欧州車指向へシフトしているので、そのトレンドを採り入れたようですが、ボリューム感のあるキャブになかなか似合っていると思います。

欧州規格のサイドミラーとフロントアンダーミラーおよびサイドアンダーミラー。フロントウインドゥ上にはバイザーも装備

中身もかなり違う

現行型「巨加※」は、2020年に投入された「国六」排ガス規制適合モデルで、この規制は欧州Euro-6排ガス規制に準拠したものです。

 同じく合弁の慶鈴五十鈴発動機で生産されるエンジンは、15.7リッター直6の「6WG1」(420~520馬力)または9.2リッター直6の「6UZ1」(380馬力)で、ラインナップは国内向けと大きな違いはないものの、トランスミッションはZF製の16速/12速/8速マニュアルとの組み合わせになっています。

 16速と12速には、機械式自動変速機(AMT)もありますが、おなじみのスムーサーGxではなく、これもZF製です。また、アクスル(車軸)メーカーも異なっており、サスペンションはすべてリーフスプリングであるなど、「巨加※」と「ギガ」ではシャシー仕様も大きく異なっています。

 中国の大型トラック市場は、中国国産メーカー大手5社(一汽、東風、中国重汽、陝西重汽、北汽福田)がシェアの大半を占めており、日系ブランドはトップ10圏外ではあるものの、いすゞは比較的上位にあるとみられます。中国国産メーカーが価格だけでなく商品力でも力をつけはじめている上に、欧州メーカーも現地生産に進出するなど、今後さらに競争が激化すると考えられていますが、我が国の代表選手たる「巨加※」の健闘を祈りたいところです。

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