ボルボ・トラックスはこれまでバッテリーEV(BEV)トラックやバイオガスなど再生可能燃料を使ったゼロエミッション・トラックを提供してきたが、新たな選択肢となる燃料電池(FCEV)トラックを初めて公開した。
1000kmの航続距離など従来のディーゼル車と同等の性能と、CO2排出ゼロを両立するFCEVトラックを2020年代後半に商用化する計画だ。FCEVの中心的なコンポーネントとなる燃料電池は、ボルボとダイムラーの合弁企業が欧州で製造する。
水素の充填施設などのインフラ整備、再生可能エネルギーから作られた「グリーン水素」の供給など、環境が整うまではまだ時間がかかるが、長距離輸送や重量物輸送などの分野でFCEVトラックの可能性が拡がっている。
ただボルボ・トラックスは「トラックの未来はBEVか、FCEVか?」という賭けはしていない。輸送の脱炭素化という目的のために、それぞれの業務に適したオファーをポートフォリオに追加するという立場で、BEVとFCEV、バイオディーゼルなどはお互いに補い合う手段とした。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/AB Volvo