大型トラックを電動化してもCO2排出量は減らない!? 米国で衝撃の調査結果

トラックのCO2削減のために

 またATRIではICE、BEV、FCEVのそれぞれについて、CO2排出量をさらに削減するための追加戦略についても分析した。

 例えば、ディーゼル車に再生可能燃料を使用した場合の排出量は、ICEを100%とした比較で32.7%となった。再生可能燃料のもう一つのメリットは、トラックやインフラ自体には変更が不要で、ほとんど追加投資が必要ないということだ。

 FCEVでは、燃料となる水素を太陽光発電などにより製造した場合、同じくICE比でCO2排出量はわずか8.8%となった。いっぽうBEVは2050年の水準を想定してもICE比で51.2%となり、現状のFCEVと同程度だった。

 輸送セクターとは別に電力セクターの脱炭素化が進み、電池製造に係るCO2の排出量を低減しないかぎり、BEVトラックによる排出低減は効果が薄い。

大型トラックを電動化してもCO2排出量は減らない!? 米国で衝撃の調査結果
更なるCO2低減の可能性。再生可能燃料を使ったリニューアブル・ディーゼルや太陽光による水素製造は大きなポテンシャルを秘めている

 調査された3つのトラックタイプは、これからの数十年の間、CO2排出量を低減するための方策の一つとなる。電気や水素など、トラックのエネルギー源のCO2削減も進めなければならない。

 輸送セクターのCO2削減は世界的な課題だが、現在の公共政策はBEVに傾いているように思う。少なくともトラック輸送においてはより優れた別のアプローチがありうることを、本研究は示している。

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