停戦から復興へ道のりは遠く険しくとも! ロシア・ウクライナ・ベラルーシのトラック事情

ウクライナのトラックメーカーKrAZは消滅!?

 ウクライナ唯一のトラックメーカー、KrAZ=クレメンチュク自動車工場は、1945年に設立された橋梁工場(後に農機工場)を前身とし、58年、ソ連政府によりヤロスラヴリ自動車工場(YaAZ)の大型トラック生産が移管され、翌年からKrAZ-222ドニエプルの生産を開始した。

 66~67年に新開発の大型トラック・KrAZ-256B/-255Bが登場、そのバリエーションは軍・民・輸出で多用され、78~82年にKrAZ-250/-260系へ一新された。

 92年にKrAZ-6510系、94年にKrAZ-6505系へ改良され、以降主力となる。また95年に8t積級2軸車・KrAZ-5系を追加した。09年に初のキャブオーバー車KrAZ-C20.2を発売、ルノー製や湖北斎星製MANのキャブ搭載車も追加された。

 だが対露関係の悪化で、主力のYaMZ製エンジンが調達不能となり、欧米製や中国製のみ選択可能となった。14年には5t積級車・KrAZ-54系で中型クラスへ参入するも、18年秋に破産、20年秋に資産売却が決まり、消滅する可能性が高い。

 (編集注)しかし2021年にウクライナの副首相(当時)がKrAZによるトラック・軍用車の生産再開の可能性を示唆し、実際に同年秋に操業が再開した。22年に6510系をモデルチェンジした6510TEをウクライナ軍に納入している。

 ロシアによるウクライナ侵攻後の2022年3月1日には「KrAZの軍用車と労働者は、故郷を守るためにあらゆることをしています!」と発表している。

KrAZ-7133C4。GVW41t・8×4ダンプ車型で最大積載量26t。COEモデルは、当初オリジナルキャブもあったが、現時点では写真のルノー製キャブと湖北斎星製MAN型のみ
KrAZ-7133C4。GVW41t・8×4ダンプ車型で最大積載量26t。COEモデルは、当初オリジナルキャブもあったが、現時点では写真のルノー製キャブと湖北斎星製MAN型のみ
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