インドのトラックの「目」に関する一考察 Part2
「アイシャー」のトラックに目がついている確率、すなわち着眼率は35%。これは同クラスの「スワラジ・マツダ」の着眼率10%と比べてもなかなかの高率だ。メーカー別のトラックによって、なぜこうも着眼率が違うのか、いくら考えても答えは出ないので、以下に、その他の面白い「目」の写真を掲示する。これらを学術用語では「変わり目」という(もうエエっちゅうに)。
このアショック・レイランドは赤いアイシャドーを入れてます
分かるかな? このバンパー目は片目です。片方はフォグランプ?
このフォース・モーターズの1.7トン積ボンネットトラックの目は、なぜか中心からずれた寄り目になっていました
たった1台見かけた「目」つきの路線バス。マヒンドラのミニバスです
いくら魔除けの「目」がついていても、事故るものは事故ります。バンパーの目が悲しめですね
ところで「トラックの目」といえば、日本にも「目」のあるトラックが多数走っていたことをご存知だろうか? 東京都(青少年日本・治安対策本部)が2005年12月から始めた「動く防犯ステッカー」がそれだ。
この「目」は、フロントよりサイドにつけられることが多かったですね
地域の防犯力を強化し犯罪を防止するため、地域に密着して走るクルマに貼付してもらうステッカーで、東京都の庁有車1000台と宅配便などの民間事業車4000台でスタートしたもの。歌舞伎の隈取りを模したこのステッカーについて、当時の石原都知事が「あれはオレが作らせたんだ」と例によって自慢げに語っていたのを思い出す。ステッカーの配布はもう終了しているが、今でも都内ではこのステッカーを貼った車両をよく見かける。インドのトラックの「目」より、こちらの方がキリリとして恐い目をしているが、もちろん「魔除け」ではなく「泥棒除け」「犯罪除け」であり、車両の「目」というより、ドライバーの監視の「目」を代弁しているものだろう。
そう考えると、インドのトラックの「目」は、トラックの擬人化の表われとも考えられる。尤も、トラックの擬人化というと、映画「トランスフォーマー」のオプティマス・プライムのピータービルト379を思い出す人もいると思うが、あれは「人」ではなく「オートボット」なので、擬人化とはちょっと違うのではないか(なにをマニアックなことを…)。
さらに言えば、インドの場合は「擬人化」というより「擬神化」といったほうが適切だろう。トラックそのものを神になぞらえているのかもしれない。ちなみにインドの「お飾りトラック」では、シヴァ神のヒゲを模したと思われるヒゲをつけたトラックも、文字通りしばしば見ることができる。
シヴァ神のヒゲを模した飾りをつけたトラックも、しばしば見ました
つまりインドでは、トラックは神様なのである。そして思い出して欲しい、新しいトラックに「目」が描かれたものは皆無であることを……。ここでは「古いトラック」という言い方はせず、「老いたトラック」と呼ぼうと思うが、インドでは、長い年月を経た「老いたトラック」にこそ「神」が宿ると信じられているのではないだろうか。これは、もう「もののけ姫」の世界、スタジオジブリの世界観である。
そうか! インドでは古いトラック、否、老いたるトラックほど、クラクションを鳴らし続け、パッシングをかまして、「そこ除けそこ除け」運転をしているように思えたのだが、あれは神様となったトラックだからこそ許される行動なのではないか! まさに神がかり的な運転だったのである! インドの老いたるトラックには、神が宿る……、その象徴が「目」だったのだ! 以上がキャップの『インドのトラックの「目」に関する一考察』の結論であるが、こんなんじゃ駄目!? (この項・了)
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