南インド 「激アツ!」 トラック紀行 その1

南インド 「激アツ!」 トラック紀行 その1

いきなりキャノンボール!? 「じぇじぇじぇ!の王国」へようこそ!

成田空港を飛び立ってから12時間、バンコクでの5時間のトランジットを経て、ようやく到着した南インド・チェンナイ空港は、ことのほか暑かった。気温ばかりでない、現地時間でも深夜零時近いというのに、すごい人混みで、人いきれでムンムンとしている。都市圏人口800万人、インドで4番目に大きな都市であるチェンナイは、「南アジアのデトロイト」と称され、今や自動車産業、情報技術産業の一大拠点として世界的にも注目の地域だ、深夜でも熱気と活気が感じられるのはそのせいかもしれない。
今回のツアーは、このほど三菱ふそうが発表したFUSOブランドのアジア・アフリカ向け戦略車のラインオフに合わせ、生産拠点となるチェンナイのDICV社(ダイムラー・インディア・コマーシャル・ビークルス)を訪ね、そのオラガダム工場を見学し、さらには新型車に試乗しようというもの。招待されたのは、新聞社・通信社の記者、ならびに雑誌の編集者およびフリーのジャーナリストで、日本のメディアの他にも、アジア・アフリカ諸国からメディアやディストリビューターが多数参加するという一大イベントである。尤も、そこはホスピタリティ溢れることで知られる三菱ふそうの広報部の仕切りゆえ、取材だけじゃなくて、南インドの観光も組み入れて旅の無聊を慰めてくれるという粋な計らいも……。ほとんどがインドは初めて(もちろん私も初めて)という我々一行は、早速、空港からタクシーに分乗してホテルを目指すのであった。

ところがである、あとはホテルに着いて長旅の疲れを癒すだけと思っていたのに、のんびりとは構えてはいられない事態がタクシー車内で出来(シュッタイ)した。このタクシーの運ちゃん、見かけは大人しそうな好青年なのに、かなりのスピード狂らしいのである。混雑する空港の駐車場を、他のクルマをかき分け押しのけ、強引に脱出したと思ったら、突き当たりのT字路を、右からも左からもクルマが突っ込んでくる中、さらに強引に右折、ものすごいクラクションの嵐である。「な、な、なんなの!?」 それでも何らひるむことなく、深夜の幹線道路をヤバいくらいのスピードで突っ走る。深夜といっても、道はそこそこ混んでいるし、道路を横断する人もいれば、なぜか逆走してくるバイクや自転車もいる、それらをけたたましいクラクションとパッシングで威嚇しつつ、右車線へ、左車線へ、ヒラリヒラリと身をかわし、並みいるクルマを抜き去っていくのである。基本的に赤信号は無視、何ビトたりとも抜かさせない、2車線の真ん中の車線跨ぎが定位置というスタンスで、夜のチェンナイをかっ飛んでいく……。我々は、本当は眠いはずなのに、誰しもが目を見開いて前方を見据えたきり、誰も声を発しない。と、タクシーが急ブレーキ! 「今度はなんなの~!?」 ハンドルを大きく切って迂回、どうやら道路に穴ぼこが開いていたらしい。目は非常にいいのである。実際、この辺りから街の中心部を離れて暗い郊外の道を走ることになるのだが、ご存知インド名物の野良牛たちが暗闇の中でぬうっと道路にはみ出してたむろしていても、ちゃんと回避して突っ走るのだから、夜目も遠目も利くようだ。
と思ったら、すさまじいクラクションを鳴らして、我々のタクシーを追い抜いていく1台のクルマが……。見れば、三菱ふそうのアルバート・キルヒマン社長を乗せたタクシーではないか! キルヒマン社長も我々一行と同じ飛行機で現地入りしていたのである。追い抜く際、キルヒマン社長はこちらを見ながらニヤリとしていたような……。それに火をつけられたのか、こちらのドライバーが猛然と追撃を開始する。クラクションとパッシングをかまし、対向車線に出て追い越しをかける、向こうからは対向車の大型バスが……。しかし、敵は速度を緩めない、一進一退のカーチェイス、「ヤバイよ!ヤバイよ!」 間一髪でキルヒマン社長を乗せたタクシーの前に飛び込み、バスをかわしたものの、「なんなの!?  コレ!」 まるで交通ルール無視の往年のカーアクション映画「キャノンボール」のよう。

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ほうほうの体でホテルに辿りつき、やっとひと安心。
「参ったよな~、うちらのタクシーの運ちゃん、メッチャ飛ばすんだもん。インド人にもいるんだな、スピード狂の運転手って……」。
その時点で我々はまだ知らなかったのである、のちに「チェンナイ走り」と称される日本人には絶対に真似の出来ない超絶の運転テクニックが南インド全域に蔓延していることを……。しかし、今夜はもう寝よう、せめて今夜だけはコワい夢を見ないように……・。南インド、この奥深き「じぇじぇじぇ!の王国」の絶叫アクティビティツアーは、まだ始まったばかりである。 

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