造り物の蝋細工? 厳寒の時期に咲く「ロウバイ」の花
今が1年で一番寒い季節。トラックドライバーの無聊を慰める「道草」も、梅や水仙にはまだ早く、冬ざれた殺風景な景色が広がるばかりである。そんな中、1年で一番早く咲くこの花を見かけると、あらためて今が寒さの底だと身が引き締まる思いがする。黄色いロウバイの花である。
梅や水仙の花には、寒いけれど「春遠からじ」を感じさせるものがあるが、残念ながらロウバイのイメージは、ただただ「厳寒」である。正月三が日も過ぎて、凍てつくような景色の中で出会うのがロウバイで、コートの襟を立てつつ「おう、もう咲いていたか」といつも思うのである。
では、さぞや心が慰められるかというと、もちろん慰められないことはないのだが、それよか寒さが厳しくて、相対的に心が慰められないという損な役回りの花なのである。花というのは、花を眺める側の心象風景が強く影響するものなのだ。
でも、ロウバイの花、好きだな~。花餅のように枝につけた造り物のよう。花というのは、たいがいじっとしているものだが(歩きまわったらコワいけど)、ロウバイほどじっとしている姿が似合う花もないだろう。それでも「造り物なんかじゃないぞ」という無言の主張をしているのが、芳香である。寒い時期はうつむき加減でトボトボ歩いているから、案外ロウバイを見逃しがちなのだが、冷たい空気の中で甘やかな気品のある香りを放っているので、思わず辺りを見回して、前述の「おう、もう咲いていたか」となるのである。
ロウバイは漢字では蝋梅などと書くが、ご存じのように梅の仲間ではなくて、ロウバイ科の落葉低木である。中国中部が原産で、日本には400年ほど前に伝わったらしい。ソシンロウバイという品種が一般的だが、そのほかにもいろいろ栽培品種があるという。梅と同じ頃に花を咲かせ、花色が蜜蝋に似ているからこの名が付いたという説があるが、それよりも花が梅に似ており、花弁が蝋質状だからとストレートに解釈した方がいいように思う。
いつもあの蝋細工のようにふっくら厚い花弁に触れてみたいと思うのだが、これまで一度も触れたことがなかった。なぜなのか考えてみたら、いつも手袋をしていたからなんですね。手袋を外すのもためらうほどの厳寒の時期に、誰よりも早く咲くロウバイの花、いいと思います。
ところで下写真は、横浜の本牧三渓園で開かれていた「新春盆栽展」に出展されていたロウバイです。見事な花付きです。さぞや老練な人が丹精込めて育てたロウバイなんでしょうね。 ローレン、ローレン、ローバイ! な~んちゃって!(こんな古いギャグ、分かる人いるのかな?)
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