輸出コンテナの放射線測定始まる

輸出コンテナの放射線測定始まる

福島第1原発の事故は、いよいよヒロさんら海コン運ちゃんの仕事にも直接的な影響を与え始めています。
国土交通省が「港湾におけるコンテナ及び船舶の放射線測定の実施」のガイドラインを策定したのを受けて、国内外の船会社や港湾関係団体の協力の下、横浜港など京浜港で輸出コンテナ貨物や船舶などを対象とした放射線測定が4月28日から始まりました。当面の対象は横浜港、東京港、川崎港から外国に向かう貨物船。輸出コンテナや船体は希望する船会社が携帯型の測定器で測定。国交省や港湾管理者などが連名で証明書を発行するものです。
横浜市内で開かれた「東日本大震災に関する横浜港連絡会議」第2回会合で、国交省は「国際原子力機関(IAEA)の基準値に準拠するなど、国際的にも厳格なガイドラインを設定した」と説明し、日本製品への風評対策に取り組む姿勢を示しましたが、これは、外国の船会社が日本発のコンテナや船舶の放射線量を測定するよう国交省に求めていたことを受けたもの。日本発のコンテナの安全性に関し海外から懸念の声が上がっており、日本発のコンテナや船舶に対する放射線検査の実施・強化、さらに横浜港への寄港の取りやめが確認されていたことから、国交省をはじめ関係団体は対応を急いでいました。そのガイドラインを以下に記しますが、かなり厳格で詳細に規定されており、海外での風評被害の拡大防止に本気で取り組んだものと言えます。

1.測定場所
コンテナターミナルのゲート部を基本とし、ゲート部での測定が困難な場合は関係者と調整の上、測定場所を別に定める。

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2.測定機器
測定に用いる機器は次の仕様を満たしていること。方式:GM 式、シンチレーター式、電離箱式および半導体式サーベイメーター。検出対象:γ(ガンマ)線を計測できること。検出範囲:γ線の検出範囲として、下限60keV 以下、上限1.25MeV 以上。少なくとも0.1μSv/h~10μSv/h の範囲の1cm線量当量率を検出できること。精度:137Cs に対して±20%以内。校正:計量法認定事業者等の校正証明書、メーカー証明書、または、証明書に代わる所有者等の自主検査記録により、校正等が適正に行なわれていることが確認できること(1年以内に校正が行なわれていることが望ましい)。なお、国によっては判断基準をBq/cm2 で設定している国もあるので、機器選定においては留意すること。

3.測定方法
(1)トラクターヘッドがついているシャーシ上のコンテナについては、標準としてコンテナの左右側面と後面の計3面で、地上1.5m 以上の高さで出来る限りコンテナ表面に測定機器を近づけて(機器を直接コンテナ表面に当てないように注意すること)。測定値が安定するまで測定(仕様機器時定数の約3倍程度)し、各箇所の放射線量率の最大値と最小値をそれぞれ記録する。
(2)トラクターヘッドがついていないコンテナについては、標準としてコンテナの左右側面と前面および後面の計4面で(1)と同様の測定及び記録を行なう。なお、コンテナの放射線量率を測定する際にはバックグラウンドの放射線量率も同時に測定し記録する。

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4.測定結果の証明
(1)港湾管理者が測定する場合
港湾管理者は、船舶運航事業者等から輸出コンテナの放射線量率の実施について要請がある場合には、本ガイドラインに基づいて輸出コンテナの放射線量率の測定を実施し、3.で測定した結果を、別添の様式1を参考に、少なくとも次の項目について記載した証明書を国土交通省と連名で発行する。項目:検査日時、検査場所、コンテナ番号、測定機器名(型式)、本ガイドラインに基づいた測定方法であること、測定結果。
(2)船舶運航事業者等が測定する場合
港湾管理者は、船舶運航事業者等が自ら輸出コンテナの放射線量率を測定する場合において、船舶運航事業者等から測定結果の確認の申請がある場合には、船舶運送事業者等が行う放射線量率の測定方法が本ガイドラインに基づいたものであることを確認し、3.で測定した結果を、別添の様式2を参考に、少なくとも次の項目について記載した証明書を国土交通省と連名で発行する。項目:検査日時、検査場所、コンテナ番号、測定者名、測定機器名(型式)、本ガイドラインに基づいた測定方法であること、測定結果。

5.基準値
コンテナの除染が必要であると判断する基準値( 除染基準値) は、IAEA の報告文書IAEA-TECDOC-1162 に準拠し、コンテナ測定場所のバックグラウンド放射線量率の値の3倍の値とする。コンテナの除染を行なう前に、関係機関へ通報し対応方法について指示を仰ぐ基準値(通報基準値)は、IMDG コード7.1.14.12 に準拠し、5μSv/h とする。

6.基準値を超えた場合の対応
港湾においてコンテナの放射線量率を測定するにあたっては、国土交通省、港湾管理者及びその他の関係者は、基準値を超えた場合のコンテナの取扱方法をあらかじめ定めておくとともに、関係者で周知を図る。3.の方法により測定された放射線量率のうち、一つでも「除染基準値」以上の放射線量率が測定された場合には、港湾管理者が指定する場所に当該コンテナを移動させ除染を行なう。除染後、改めて当該コンテナの放射線量率を測定し、測定値が「除染基準値」を下回れば正常なコンテナと同様に取り扱う。除染後も測定値が「除染基準値」を上回っている場合には、関係機関へ通報するとともに、関係者間で十分協議の上、適切な対応方法について決定する。3.の方法により測定された放射線量率のうち、一つでも「通報基準値」以上の放射線量率が測定された場合には、直ちに関係機関へ通報し、関係者間で十分協議の上、適切な対応方法について
決定する。なお、幾つかの国・地域では、現地での放射線測定において、コンテナ表面における放射線量率がバックグラウンド値の3倍を超えた場合や現地当局の判断等により、放射性物質によって汚染されている可能性があるとして、さらに詳細な検査の対象となる場合がある。

7.その他
バックグラウンド値が大幅に上昇する等、本ガイドラインの適用にあたり大きな状況の変化が生じた場合には、本ガイドラインを見直すものとする。

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