昨日今日は、ようやく被災地に赴くことになったカミさんの買い物などの準備でバタバタと過ごしている。
カミさんはベテランの看護師だし、救急救命士の資格も持っているので、日本看護協会の「災害支援ナース」に志願していたのだが、やっと協会から「そろそろ行ってもらいますからね、ついてはコレコレの準備をしといて下さい」という返事が来たのである。まだ、どこにいつからいつまで行くかは不明なのだが、被災した人たちの状況を伝えるテレビを見ては目を真っ赤にし、「早く支援に行きたい、私だって少しは役に立つはず」と言い続けていたので、ホッとする同時にあらためてモチベーションが高まってきているようだ。
1995年の阪神淡路大震災の際は、子供がまだ小さくて支援に行けなかったが、今回の気がかりは我が家に引き取った要介護の父親と高齢の母親のこと。そちらは私に任せてもらえばいいので、被災地での看護支援に全力を尽くしてもらおうと思っている。夫婦単位で支援すると考えれば、そういった形もありだろう。カミさんは旦那様にはちっとも優しくないが、困っている人にはまさしく白衣の天使になれる人間なので、間違いなく被災した人たちの役に立ってくれるはず。しかし、何だか出征兵士を送り出すような心持ちで、「ご武運めでたく」とか「後顧の憂いなく」といった言葉が思い浮かんでくるから、ちょっとおかしい
ただ、あらかじめ覚悟はしていたものの、看護の支援活動もなかなか大変だ。現地での支援活動は丸4日間で、日本看護協会からの連絡によると、「活動時の生活環境について」は、
○現地での宿泊は、バスでの車中泊、もしくは、それぞれの活動場所での片隅などを想定しています。暖房は一切ない環境での生活になることを心得ておいて下さい。
○トイレは、一部使用可能な地域もありますが、簡易トイレの使用となることもあります。
○食事は、各自持参した物のみとなります。
○入浴・シャワーはできません。
○洗面もできない可能性があります。
○二次災害、事故防止のため、単独行動は禁止とさせていただきます。特に夜間、女性一人での行動は絶対にしないようにお願いします。
……などとなっている。要するに、食料や水を含め、あくまでも被災地や被災者に負担を掛けない自己完結型の支援を貫く姿勢だ。
従って、携行品についての取り決めもなかなか厳しい。被災地への支援物資等のスペースを確保するため、個人の携行品は、寝袋と水を除き、リュックサック1 個に制限されている。基本的に日本看護協会で用意するのは、医療資機材と衛生材料(マスク等)だけなので、それ以外は全て個人で用意しなければならない。ちなみに寝袋は、氷点下での気温に耐えうる冬用の物。水は1日2リッターが目安となっているので、最低でも2リッターのペットボトルを4本持っていかなければならず、これだけでも8キロ以上の重量となる。もちろん、現地での充電は不可なので、携帯電話の電池式充電器やヘッドライト等の電池も必要だ。
そして肝心の食料だが、日本看護協会によると、アルファ米を3食×4日分、それにバランス栄養補給食品などを推奨しているのだが、食いしんぼのうちのカミさんがそれだけでやっていけるのかどうか……。かといって、缶詰やレトルト食品などは重さからいってもNGなので、まあ、ダイエットにもチャレンジするつもりで頑張ってもらうしかないと思っている。
そのほかにも防寒具やマットシート等々、いろいろ揃えなければならないものがあって、昨日今日は買い物三昧なのだが、乾電池や飲料水は未だ品不足が続いているし、アルファ米に至っては影も形も見えない状況で、まだまだ準備は整っていない。これから登山用品店に行って、リュックや寝袋、あればアルファ米も買ってきたいと思っている。ちなみに昨日、栄養補助食品としてカロリーメートを6個買おうとレジに並んでいたら、店員から「お客さん、これ一人2個までなんですけど…」と言われ、「あっ、気がつかなかった、返します、返します」と答えたのだが、周囲からは「こんなものまで買い占めるのか、このバカ夫婦が!」と白い目で見られてしまった。う~ん、ちょっと違うんだどな。
正直言って、災害支援の看護師に対してもう少し現地での生活環境の改善があってもいいと思うのだが、そんなことをカミさんに言うと、「何いってるの、大変といっても、私たちは4日か5日だけの話じゃない。だけど、現地のお医者さんや看護師さんは、ずっと不眠不休で働いているんだよ。それを考えれば、大変なんて言っていられないよ」。
被災地の最前線の現場では、今日もたくさんの無名の兵士たちが必死で頑張っているのだ。 (キャップ)