スカニアジャパンの正規ディーラーである「阪東自動車工業」と、大阪の老舗架装メーカー「ヤハタ」が、スカニアの単車モデルをベースとする大型平ボディを共同製作。一体どんな中身になっているのか?
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
※2025年3月発売「フルロード」VOL56より
人気のプレミアムトラックでオーダーメイドの平ボディを製作
高級感のある内外装、居住性の高さ、パワフルな走行性能から、日本のトラックドライバーにも人気のスカニア。
日本で一番人気があるのはトレーラをけん引するトラクタモデルだが、単車モデルも人気。今回はそんなスカニアの単車モデルをベースとする、フルオーダーメイドの平ボディを紹介しよう。
製作したのはスカニアジャパン正規ディーラーの阪東自動車工業(大阪府東大阪市)と平ボディメーカーのヤハタ(大阪府泉北郡)。
導入ユーザーはプレス機や研磨機などの工作機械の運搬/据付を専門とする都重量(東大阪市)。スカニアの導入は初めてで、製作にあたっては「とにかく頑丈な平ボディ」を求めたという。
さまざまなカタチの積み荷に対応できる、こだわり満載の「床」
ベース車両は3軸中低床6×2リアエアサス車型「P410 B6×2LA」。キャブはPシリーズのロールーフ仕様を組み合わせる。
荷台を支える根太構造は、強度を確保するため、縦根太の上に横根太を重ねるクラシックな構造を採用。背の高い工作機械も運びたいので、縦根太は少し薄型のタイプを採用。床面地上高を低く抑えている。
床は、さまざまなカタチの工作機械を荷台のどこに置いてもガッチリ固定できるよう、丸カンフックを左右に30個、中央に15個搭載。床枠にも片側15個のロープ用フックを搭載する。
床材は木材(アピトン)だが、むき出しのままだと工作機械から漏れ出るオイルなどで腐食する恐れがあるため、耐腐食性の高い亜鉛メッキ鋼板を上に被せて二重構造化。
表面には水抜き穴を設けて、停車中に雨水が溜まるなどして錆の原因になるのを予防している。
使い勝手の高い荷台と豊富な収納スペース
荷台は5方開のアオリ付き平ボディで、主要スペックは内法長9500mm×内法幅2350mm、床面地上高1090mm、最大積載量13400kg。鳥居後方に前後長500mmの脱着式の物入れを搭載するので、内法長は実質9000mmとなる。
アルミブロック製のアオリは、脚が細くてウエストが太い「寸胴型」の積み荷を運びやすくするため、高さ150mmの低いタイプを採用。
一点に集中荷重がかかる積み荷を運ぶ際のボディやアオリへのダメージを軽減するため、鳥居と床枠の接続部を補強する「アヒル補強」は、通常よりもゴツいタイプを採用しているという。
鳥居後方の脱着式物入れは、合計5カ所の収納スペースを持ち、荷締め器具などを多数収納可能。長尺物を運ぶ際などは、鳥居に固定してあるボルトを外せば簡単に取り外すことが可能だ。
右ホイールベース間に2連で搭載される大型の物入れは、水に濡らしたくないもの用。左右リアオーバーハングにはリン木などを収納するための物入れも備わる。
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