大阪の特殊トレーラメーカー、トーヨートレーラーが佐賀で展示会を開催。同社はエアサストレーラ、2軸16輪トレーラ、油圧トレーラなどといった特殊トレーラの第一人者であるだけに、その展示内容は濃厚。新開発車両も含む6台の展示車両を徹底レポートした。
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
トーヨートレーラーとは?
トーヨートレーラーは大阪市淀川区に本社を置く特殊トレーラメーカーで、日本国内で設計、中国大連市の大連工場で製造を行なうのが特徴。
特殊な積み荷、特殊な輸送形態に対応する車両を一台一台オーダーメイドで製造するのが持ち味で、製品ラインナップはエアサストレーラ、2軸16輪トレーラ、油圧トレーラなど多岐に渡る。いずれもステア機構や油圧サスペンション、荷台傾斜機構など、量産車にはない特殊な機構を備えているのが特徴だ。
また、特殊トレーラと並行して「オーダーメイドキャリア」と呼ばれる自走式台車の開発/製造も行なっており、90t積みから800t積みまで、さまざまなタイプのキャリアをラインナップ。このほか中国の世界的車軸メーカーFuwa社と提携し、「FuwaToyo」として日本国内向けのトレーラ車軸の販売も行なっている。
今回の展示会は九州をはじめとする西日本エリアの顧客に対して自社製品のアピールを行なうため開催されたもので、会場には西日本各地から多数のユーザーが来訪。一部車両については会場内を走行させ、車軸ステア機構や車高調整機能のデモンストレーションも行なわれた。
●ネック分離機構付き2軸16輪低床トレーラ
新開発の「ネック分離機構」を搭載する重機運搬用の低床トレーラで、荷台高は500mm。ネック分離機構はネックと荷台を分離することができるもので、タイヤなど障害物の少ない荷台前側から重機を積み降ろしできるのが特徴。主要寸法は全長12540mm、全幅2990mmで、連動ステア機構(後述)も搭載。最大積載量は50000kgだ。
●5軸20輪伸縮拡幅式中低床セミトレーラ
荷台伸縮機構と拡幅機構を備える中低床エアサストレーラで、荷台高は900mm。主な積み荷はクレーン部材で、荷台前側の高さを調節できる「ネックジャッキ」やハンドル操作に連動してトレーラ車軸をステアさせる「連動ステア機構」も搭載。主要寸法は全長13100〜16600mm、全幅2990〜3200mm。最大積載量は33000〜47000kgだ。
●2軸16輪伸縮拡幅式低床セミトレーラ
荷台伸縮機構と拡幅機構を備える重機運搬用の低床トレーラで、荷台高は550mm。ネックジャッキと連動ステア機構も搭載。主要寸法は全長12620〜16120mm、全幅2990〜3200mmで、最大積載量は42100〜50500kgとなっている。
●3軸12輪ポールトレーラ
低床荷台や車軸ユニットなどさまざまなアタッチメントを組み合わせることで、さまざまな形状、重さの積み荷に対応する「マルチタイプ(またはマルチトレーラ)」と呼ばれるポールトレーラで、油圧懸架サスペンションにより荷台を車軸中心位置よりも低くすることが可能。連動ステア機構も備わる。荷台高は530mmが標準だ。
●3軸12輪原木運搬フルトレーラ
ヒアブ製林業用クレーンを搭載する原木運搬仕様のドーリ式フルトレーラで、主要寸法は全長9060mm、全幅2490mm、荷台高1410mm。最大積載量は14600kgである。フルトラクタはスカニア製で、全長10.5m、3軸6×4駆動のフルトラクタ専用車。日本に5台程度しか存在しないフルトラクタ専用車の1号車で、500PSを発揮する直6エンジンを搭載する。
●3軸12輪伸縮式低床セミトレーラ
荷台伸縮機構を備える低床トレーラで、最低荷台高は570mm。車軸とネック部にエアサスを搭載する「フルエアサス仕様」で、主に精密機械の運搬を担う。主要寸法は全長12580〜15080mm、全幅2990mmで、最大積載量は33700〜33900kgとなっている。
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