実物と見まごう! 日野プロフィアのモデル製作秘話に迫る【ケンさんのホビーは楽し!】

実物と見まごう! 日野プロフィアのモデル製作秘話に迫る【ケンさんのホビーは楽し!】

 東京・秋葉原駅にほど近い神田須田町にある「ケンクラフト」は、建機専門のミニカーショップとしてよく知られた存在です。

 その店主・高石賢一さん(通称ケンさん)は国内外の建機やトラックに精通しており、その見識は実物と見まごうスケールモデルに見事に反映されています。

 今回取り上げるのは、日野プロフィア。しばし世俗を離れて、ホビーの清く楽しい世界にどっぷり浸かっていただきましょう!

文/高石賢一(ケンさん) 写真/高石賢一(ケンさん)・フルロード編集部
*2022年3月発行トラックマガジン「フルロード」第44号より

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二代目プロフィアのモデルづくりの秘話

ケンクラフトが手がけた日野プロフィアシリーズ

 街中でもすっかりおなじみになった三代目となる現行プロフィアのミニカーがいよいよ発売になる。トラックモデルファンにとっては待望のモデルであろう。

 ケンクラフトではプロフィアの二代目からモデル化してきた。二代目グランドプロフィアが発表になる2003年の一年くらい前、大型トラックを商品化したくて日野自動車に相談。当時はアトラデザインがモデル化にあたっても担当していた。

 初代プロフィアを商品化するつもりでいたら、なんとどうせやるなら来年発表になる新型をやっては? と嬉しいご提案。彼らの新型に対する自信と並々ならぬ情熱が伝わってきて、もちろんYES ! 

 実車のCADデータはいただけなかったが、実車取材はOKで、社員でも入れないような場所へ入れてもらい大興奮して撮影。もちろん秘密保持契約を交わし、ひそかに制作に取り掛かった。

 重量物運搬トラクタのSS 6×4はまだ実車がないということで、コンテナなど牽引するSH 4×2をモデル化。縮尺は1/50と1/43と悩んだが、重機模型に合わせて1/50を選択。

この選択は正解で重量物運搬トレーラを展開して行くことができ、今の商品ラインアップに至る。

 少量生産を考えていたので原型を作りシリコンゴム型にメタルを注型。乗用車のモデルではポピュラーの方法で金型製作がないので先行投資を抑えた、いわゆるガレージメーカーがとる方法だ。

 キャブチルトなど開閉部はないが、こだわったのがフロントタイヤの切れ角だ。大型トラックの魅力のひとつはタイヤをいっぱいに切って曲がってくる姿、これを模型でも再現したかった。

 キングピンの位置をなるべく実車に近く、外側に持ってくることで実車の雰囲気を出すことができた。このこだわりは今度のプロフィアでも取り入れている。

 制作にはかなりの労力が必要で、関わってくれた人たちには深謝だ。100台くらいは作ったはずだが、今や貴重品。ほぼ実車と同時発売した経緯を持つ。

ダイキャストモデルにも挑戦

 この数年後に模型業界の古くからの友人M氏がダイキャストで作ろうと協力してくれ念願のSS 6×4トラクタがモデル化されることになった。

 設計は某超有名模型メーカーで設計をしていた大ベテランM氏。はたして素晴らしいモデルが登場した。フロントタイヤはもちろん大きく切れるように設計、カプラは重量物トラクタ独特の、いわゆる十字カプラで、前後左右に角度が可動するようにした。

精巧に作り込まれた三代目日野プロフィアトラクタSS 6×4
SS 6×4のシャシー。こだわりのフロントタイヤの切れ角も大きく切れる

 キャブチルト、ドアは開かないのだが、開口部があるとどうしてもクリアランスを作る必要があり、隙間ができてしまう。ヒンジも大きくなってしまうということで今回もなしだ。

 ホイールボルトが8本の時代だ。実車がマイナーチェンジした後、モデルもマイナーチェンジし、地味なところだが排気系変更や尿素タンク追加、サイドバーやリヤバンパーを変更、同時にホイールボルトも10本に変更した。

 現行の三代目の登場は2017年だから、すでに5年も経っており、モデル化には遅いくらいだったが、内容を充実させるだけでなく、何よりも佇まいの良いモデルを目指した。いくら精密に設計しても佇まいがよろしくないモデルはけっこうあるのだ。

 さて、基本シャシーは同じだが、細部にわたって新金型が奢られている。実車でも大きく変わったフロント回りをはじめとして、テールライト、これはSSとSHで異なるデザイン。プラッフォームのデザイン、排気チェンバーカバー、キャブバック、バックミラーも変更されている。

 特筆すべきはインテリアだ。模型になるとほとんど見えなくなってしまうのだが、なんと足元のペダルまで再現してしまった。詳しくは写真で確かめてみてほしい。

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