トラッカーのための「道草」知っと講座

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「セイタカアワダチソウ」の冤罪を晴らす

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今の季節、至るところで目につく黄色い花「セイタカアワダチソウ」は、言うまでもなく帰化植物の代名詞的存在だ。北アメリカ原産、キク科アキノキリンソウ属の多年草で、「日本中で猛威をふるう侵略者」「喘息や花粉アレルギーを引き起こすやっかい者」といった負のイメージがあるが、そこには「冤罪」もあるようで、誰かが弁護してやらないと、いつまでも「悪者」のままである。
モノの本によると、セイタカアワダチソウは明治時代の終わり頃に切り花用として輸入され、すでに昭和の初めには帰化が認められたという。さらに第二次世界大戦後、至るところで繁殖が進むようになったが、これは、アメリカ軍(進駐軍)の荷物に付着して広まったという説と養蜂家が蜜源として播種したという説がある。セイタカアワダチソウは、勝手に大増殖したのではなく、少なくとも最初は人為的に広まったという側面もあるようだ。
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また、ひと頃、セイタカアワダチソウは喘息や花粉アレルギーを引き起こす有害植物として広く喧伝され、今でもそう思っている人は多いようだが、前述のようにセイタカアワダチソウは蜜源としても利用されていることでも分かるように、いわゆる虫媒花で、風によって花粉を運ぶ風媒花ではない。従って、セイタカアワダチソウが喘息や花粉アレルギーを引き起こすというのは冤罪で、真犯人は同時期に花をつける「ブタクサ」であるというのが定説になっている。
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セイタカアワダチソウは、漢字で書くと「背高泡立草」で、在来種のアキノキリンソウが一枝に花をたくさん穂状に付け、その花穂の形を酒が発酵する時の泡立ちに見立ててアワダチソウ(泡立草)と呼ばれたことから、高さ2~3メートルにもなる同属のこの種をセイタカアワダチソウと呼ぶようになったのだという。ちなみに海上コンテナ業界では、高さ8フィート6インチの通常のコンテナ(通称ハチロク)に対して、高さ9フィート6インチのコンテナを背高コンテナとかハイキューブ、またはクンロクと呼ぶ。このため、海コン関係者は、セイタカアワダチソウのことを「クンロクアワダチソウ」と呼ぶそうである。もちろんウソである。
ところが背が高いことが命名の由来なのに、最近は、背の高くないセイタカアワダチソウも多く見られるようになり、かつての爆発的な繁殖力も影を潜めるようになっているのだという。その最大の理由が、こむずかしい言葉で恐縮だが「アレロパシー効果」なんだそうだ。アレロパシーとは「ある植物の根などから出される物質がその周りの植物の発芽や生育に影響を及ぼす現象」のこと。セイタカアワダチソウの地下茎にはアレロパシー成分が多く含まれることで知られ、かつてセイタカアワダチソウが爆発的に繁殖したのも、このアレロパシー効果で他の植物の生育を阻害して勢力を拡大していったからである。しかし、そのアレロパシーが今や「自家中毒」となって、かつてのセイタカアワダチソウの勢いを止める作用を果しているというから、何とも不思議なものである。確かに近頃は背丈が50センチくらいの「背低アワダチソウ」と呼びたくなるようセイタカアワダチソウをよく見かけるし、セイタカアワダチソウが繁殖していた土地でススキなどが勢力を盛り返しつつあるように見える。
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何だか考えさせられる話ではないだろうか。世界の人口が70億人を突破したが、それは環境負荷というアレロパシーを地球環境や他の生き物にますます撒き散らすことでもある。そのアレロパシーが人類自らに向かうことを人間は止めることが出来るだろうか……。
たまには、そんなことを考えてみるのも一興かと思う、政治や経済から学ぶより、セイタカアワダチソウから学ぶことの方がよほど勉強になるように思う。

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