ポスト・ヤマトナデシコの本命「シュウメイギク」
キク科の植物というのは意外と多い。有名どころをあげると、ヒマワリ、コスモス、ダリア、アザミ、ヨモギ、フキ、ツワブキなどに加えて、ブタクサ、ハルジョオン、ヒメジョオン、ヨメナ、セイタカアワダチソウなんて雑草までラインナップしているから、キク科というのはずいぶんと懐が深いことが分かる。
さて、そこで今が見頃の「シュウメイギク」である。漢字で「秋明菊」と書き、京都の貴船でよく見られたことから「貴船菊」などとも呼ばれるこの雅な花は、実はキク科ではなく、キンポウゲ科アネモネ属なんだそうだ。よって英名は「ジャパニーズアネモネ」というそうである。
その昔、中国から渡ってきたとされる多年草で、日本の山野にも自生しており、日本の秋を感じさせる花としてすっかり定着している。花色はピンク、白、紫などで、花びらに見える部分は愕(ガク)が変化したものだそうだ。一重のほかに八重咲きもある。
半日陰を好むせいもあるかもしれないが、なんとなく「出しゃばらない花」のイメージがあり、「秋明菊」の美しい響きと共に、実は、私はひそかに好ましく思っている。木陰にひとり静かにシュウメイギクが咲いている姿を見ると、胸のときめきをおぼえるほどである。日本男児が惚れるべきは、こういう花ではないか。
そこでいきなりだが、なぜ「ヤマトナデシコ」なんだろうか? 日本女性を賛美する際のヤマトナデシコというのは、清楚で凛とし、慎ましやかで、一歩引いて男性を立てるといった(正直いってかなり古臭い…)概念だが、ナデシコってそれほどの花だろうか?
ナデシコの花をいくら眺めていても、せいぜい「きれいだね」の感想くらいしか浮かんでこないではないか。日本女性への賛美を肩代わりさせるには、ナデシコの花には荷が勝ちすぎていないか? AKB48の板野友美ちゃんに「青春の門」の大竹しのぶサンの演技を求めるような……。昔の人が言ったことを鵜呑みにしてここまできたが、実際問題、ナデシコの花にそこまでイメージを膨らませるポテンシャルなんてないのではないか?
この際、もっと誰しもが感情移入できる、日本人の心の琴線に触れるような花を、ポスト「ヤマトナデシコ」の候補としてあげたらどうか。私はその第一候補として「秋明菊」を強く推したいと思う、どうだろう!?「ヤマトシュウメイギク」、なんか競走馬の名前みたいだけど……。
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