お盆の時期は「サルスベリ」
日曜日に横浜の久保山墓地に墓参りに行ったのだが、広い墓地の中でぽつねんとひとり、一本のサルスベリの木が見事に花を咲かせていたのが印象的だった。
サルスベリは、中国南部原産のミソハギ科の落葉中高木である。お盆のこの時期、キョウチクトウと共に、暑さをものともせず咲き誇る木の花の代表選手だ。白や薄いピンク、濃いピンクなどの花色があるが、漢字で百日紅と書くように、濃いピンクの花色が一番好まれるようだ。また、花が咲いている時期が長いことから百日紅なのだろう。
ご存じのようにサルスベリは、樹皮がつるつるして、いかにも登りにくそうなことから「猿滑り」と命名されたわけで、英語でも「モンキースリップ」と呼ばれている。というのは真っ赤な嘘で、ギンバイカ(myrtle)の花に似て花弁がちりめん(crape)のように縮れていることから「Crape myrtle」と称する。また、「インディアンライラック」とも呼ばれるそうだが、ライラック(リラ)は春の花だから、小春日和を「インディアンサマー」と呼ぶようなものなのだろうか。いずれにせよ「猿滑り」という余りにも直截的な命名は、自分的にはずっと「なんだかな~」と思っていたので、ここは英語名の方が趣深いと軍配を上げたい。
サルスベリというのは、庭木としてはずっと昔からあったので、もう流行っていないのではないかと思っていたのだが、どうしてどうして、今年は特に花つきがいいせいもあるのか、あっちでもサルスベリ、こっちでもサルスベリというように、ずいぶんと目につくようになった。開花時期が長く、対病性もあり、必要以上に大きくならないことから、庭木のほかに、街路樹や公園などにも積極的に植樹されているためだろう。いずれにせよ、子供の頃のお盆の心象風景に紅いサルスベリは欠かせない。懐かしい日本のお盆の時期を彩るサルスベリ、あらためて好きになりました。 (キャップ)