おまえのような花ですか?「クチナシ」
漢字で梔子と書く「クチナシ」は、アカネ科の常緑低木である。ご存じのように花にはジャスミンに似た強い芳香があり、一重と八重の花がある。果実が熟しても割れないため「口無し」という名前がついたという説があるが、真偽のほどは分からない。乾燥した実は、黄色の着色料として、タクアンやキントンなどに用いられる。
ところで、クチナシの花期はもうそろそろ終わりだと思うが、なぜ今頃取り上げたかというと、時には花の哀れにも目を向けて欲しいからである。ハクモクレンやタイサンボクと同様に、クチナシの白い花も、その始末は無残である。樹に咲く白い花は、花の盛りがみごとなだけに、咲いた後の落差に胸が痛むのである。特に夏場に咲くクチナシは、花の命を終えると、あっという間にドライフラワー化してしまい、世の無常を覚えずにはいられない。
渡哲也サンは、このクチナシの花を別れた女性に例え、やつれ果てた姿を憐れんで唄ったが、うちのカミさんなんかに言わせると、「そりゃルール違反じゃん! 禁句じゃん!」ってことらしい。それに別れた(捨てた?)女性の容姿を今になって憐れむくらいなら、「花も嵐も踏み越えて共に白髪の生えるまで添い遂げるのが本当の男のやさしさってもんでしょ、女性を花に例えるくらいなら、美しい盛りを讃えるばかりでなく、内面の充実にも目を向けなさいヨ!」とのこと。ハイ、この問題に関しては、私、口無しになります。
で、全然関係ないのですが、最後に戯れ歌を一つ。
今では首輪も見えぬほど、
肥えて、太った、おまえの重さ
(中略)
うちネコの、広い腹
オーマイゴットの、腹だった
(キャップ)