下請けは、はかなくも哀しく
アメリカの高名な経済学者によると、日本に於ける下請け企業は、ほとんど系列の親会社と一体化しており、不況時の仕事の減少や人員削減の際のクッション役を果たして、親会社への直接の打撃を和らげているのだそうだ。また好況時には、不足する労働力の供給源になっている点も指摘している。氷山の一角という言葉があるが、水面下にはその一角を支える何倍もの氷の塊がある。それが下請けである。
僕が勤めていた運送会社は、中小企業の中でも極称企業、つまり零細という規模だったので、ほとんどの仕事は他の大きな運送会社から回ってくる下請けの仕事だった。考えてみれば、運送会社の仕事自体が、荷主の運送部門を請け負う下請けのような立場である。そうした親会社の倉庫に直接出入りし、その会社の配車係から伝票をもらって仕事にかかるといった場合も多い。そうした場合、その配車係が運転手に対して絶対的な権限を持つと言っても過言ではない。配車係については稿をあらためて詳述するつもりだが、荷主と下請けの関係は、実に哀しいものがある。 (山高一浩)