光り輝く新緑の「クスノキ」に勇気をもらう
今は樹々の新緑がきれいな季節だが、中でも樹形のいい「クスノキ」の鮮やかさは別格だと思う。
大井ふ頭中央海浜公園スポーツの森の「くすのき広場」 クスノキの梢の向こうに夏の雲が顔を出していました
漢字で「楠」と書くクスノキの名前は誰でも知っていると思うが、樹木はよほど大きな特徴が無いとどれもこれも同じように見えてしまうため、どれがクスノキか分からないという人もいると思う。クスノキは公園や寺社など、ごく普通に見られる常緑の高木である。厚みのある葉が密生するため、交通騒音の低減にも効果があり、近年は街路樹として用いられることも多いという。兵庫県、佐賀県、熊本県、鹿児島県の「県の木」に指定されていることからも分かるように暖地を好み、面白いことに常緑樹ながら、新葉が出る4月下旬から5月上旬にかけて、前年の葉は大量に落葉する。5月下旬には、ややクリーム色がかった白い小さな花が咲き、秋には黒い小さな実がつける。
クスノキかどうか分からない時の最終手段としては、葉をちぎって揉んでみるといいかもしれない。匂いを嗅いでみると、ちょっと懐かしいメントール系の香りがするはず。そう、クスノキは防虫剤などになる樟脳の原料でもあるのだ。
樹皮と葉はこんな感じ
クスノキは比較的成長が早く、しばしば大木や巨木になり、神社などではご神木として崇められることも多い。そういえば、京都に皇室と関わりの深い青蓮院門跡という門跡寺院があって、ここの紅葉が素晴らしいので毎年のように訪れているのだが、青蓮院の門前には天然記念物の5本のクスノキもあり、その巨木の枝ぶりは圧倒されてしまうほど見事である。
また、こないだの日曜日はあまりにもいいお天気だったので、ゴールデンウィークの最後の日ぐらい出掛けようと、横浜・伊勢佐木町~中華街の定番コースに「プチお出掛け」したのだが、近くの馬車道や横浜市役所のクスノキの新緑が光り輝いて、何だかとてもいい感じ。この辺りは子供のころから慣れ親しんだ場所だが、「このクスノキ、こんなに大きかったっけ?」と思わず見直してしまうほど成長しており、それはまた自分が年を取った証でもあるのだが、樹木の生命力には人を元気にする力もあると思う。
日曜日のオフィス街の向こうに横浜市役所のクスノキが光り輝く
横浜らしい風情を色濃く残す馬車道のクスノキ
桜のように花を愛でる木も好きだが、クスノキの光り輝く生命力にはもっと根源的な魅力があるようだ。いにしえの人々が木や森を崇めたように、樹々の生命力に接することは、現代人にこそ必要だと思う。生きる勇気をもらう木、クスノキは、そんな生命力に満ちた木である。 (キャップ)