トラッカーのための「道草」知っと講座

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交雑・交配の末に生まれた「久留米ツツジ」「平戸ツツジ」

いまの季節、トラックドライバーがいちばん目にする花といえば、ダントツで「ツツジ」ということになりますね。桜のお花見シーズンが終わると、まさにツツジの季節到来で、路側帯や中央分離帯にも赤紫や白やピンクのツツジの花が満開となるから、多くのトラッカーの無聊を慰めてくれるはず。

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ところが、ツツジのことを紹介しようと思っても、実はコレが結構むずかしい。しかもツツジに関しては、一家言ある愛好家・蒐集家・専門家が多くて、下手なことを書くとお叱りを受けるらしく、例えば私のような素人が「ツツジの花がきれいですね」なんて書こうものなら、「ツツジなんて花は存在せん!」なんて言われちゃうらしいんですね。
どういうことかというと、例えば、北海道に大雪山ってあるでしょ、でも「大雪山」と称する山は無くて、あれは大雪山系といういろんな山群を指していうのと同じように、ツツジも、いろいろな種類のツツジの総称であって、品種名ではないということらしいです。

実際、ツツジは万葉集の時代から愛好されてきたらしく、園芸種として古くから交配されてきたので、その種類は2000種とも言われています。そんなもん覚えきれないから、「いいのいいの、固いこと言わないでツツジでいいじゃん!」と思うんですが、どうしても「いかん!」という人がいるもんですから(誰それ?)、ここでは、ごく一般的な「久留米ツツジ」と「平戸ツツジ」について取り上げたいと思っています。

ところで、平戸ツツジや久留米ツツジもそうなんですが、その他にも霧島ツツジ、玄海ツツジ、雲仙ツツジ、佐多ツツジ、隼人ミツバツツジ、さらには琉球ツツジ、慶良間ツツジ、先島ツツジと、なぜかツツジには九州・沖縄地方の地名を冠した種類が多く、昔から「なぜなんだろう?」と疑問に思っていました。未だ明確な理由は分かりませんが、おそらくその土地の固有種だから地名を冠したケースと、園芸が盛んでその地で交配されて誕生した品種だから地名を冠したケースの、その両方があるのではないかと推察しています。

例えば「花は霧島 タバコは国分 燃えて上がるは オハラハー桜島」で知られる「鹿児島おはら節」ですが、そこに出てくる「霧島」とは、おそらく九州の山に自生していたミヤマキリシマというツツジのことだと思うんですが、そのミヤマキリシマとヤマツツジの交雑種が霧島ツツジと言われ、さらにその霧島ツツジと佐多ツツジをもとに江戸時代に久留米ツツジが生まれ、園芸種として多くの品種が生み出されたと言います。長い時の流れの中で、交雑・交配がなされ、きっと不倫やら三角関係やらそういうドロドロした関係もあったと思うのですが、こうして生まれた久留米ツツジには、何の罪もないことは言うまでもありません(笑)。

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さて、その久留米ツツジなんですが、後述する平戸ツツジに比べると、花が小形で、鮮明な色調を持ち、朱紅色、紅色、鴇色、ピンク、絞りなどの多くの色があり、多花性で、花形も変化が多く、また八重など多くの品種があります。庭木として広く利用されますが、鉢植えにも好適な種類とか。欧米でも「クルメアザレア」の名前で広く栽植されているそうです。特に久留米ツツジを密生させた生垣は圧巻で、我が家の近くの家にもあるんですが、毎年「お見事!」と言っちゃいますね。

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もう一つの「平戸ツツジ」は、慶良間ツツジ、モチツツジ、キシツツジの交配種で、長崎県の平戸(ひらど)で約300年前から栽培されて、交配が重ねられ多くの品種がある、一番ポピュラーなツツジです。路側帯や中央分離帯に植えられていることが多いので、トラッカー御用達のツツジといっても過言ではないですね。花色は、一番多く見かける順に赤紫色の「オオムラサキ」、そして白とピンクが美しい「曙」、それに白色。この白色には特に品種名は無いようです。ちなみに「曙」に関しては、ややこしいことに「曙ツツジ」という別の種類のツツジが存在するので、あくまでも園芸品種名と考えた方がいいと思います。

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さて、ここからは非常に個人的なことを言っちゃうんですが、ワタクシ、この平戸ツツジの「オオムラサキ」がどうしても好きになれないんですよ。たぶん「ツツジ」と言われて、多くの人が真っ先に思い浮かべるのが、この「オオムラサキ」だと思うんですが、生理的に嫌いというか、どうしてもダメなんです、この下品な色合いが……(笑)。国蝶の「オオムラサキ」は好きだし、桃屋の「江戸むらさき」も好きだし、瀬川瑛子の「長崎の夜はむらさき」も好きなんですが、平戸ツツジの「オオムラサキ」だけは、どうしてもダメ。
嫌いな花なんか滅多にないのに、どうしてなんでしょうか? ま、ここは「それだけツツジは奥が深いから…」ってことで締めますが、実は、ツツジにはまだまだ語りきれないことがたくさんあって、ツツジとサツキの違いを筆頭に、シャクナゲとツツジの違い、ドウダンツツジはツツジか? さらにはツツジとヒツジの意外な関係なんて話もありますが、それはまたいつか。 (キャップ)

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