自己再生する溝って、いったい何?

自己再生する溝って、いったい何?

日本ミシュランから新機軸の省燃費ミックス

一昨日、日本ミシュランタイヤがトラック・バス用タイヤの新製品記者発表会を開くというので、キャップも会場となる文京区の椿山荘まで行ってきました。このところ3月決算やらなにやら、会社の中で事務的な仕事ばかりしているので、こういう機会は嬉しくって、啓蟄ってヤツですかね、久しぶりの世間がまぶしく感じられました。

さて、そのミシュランの新製品は、日本発導入となる新技術「自己再生する溝」を採用したトラック・バス用省燃費オールシーズンタイヤ「ミシュランXZNミックス・エナジー」です。このタイヤは、日本ミシュランの説明によると、転がり抵抗低減、ロングライフ性能ならびに優れたグリップ性能で、輸送事業者がタイヤに求める安全性、環境性能ならびにコスト削減効果を高い次元で実現したミックスタイヤということになります。ちなみにミックスタイヤというのは、リブタイヤとブロックタイヤの中間的な性能を有する日本市場特有のタイヤで、日本自動車タイヤ協会=JATМAの資料によると、今や日本のTB用タイヤ市場では44.4%を占める一大勢力。今回の新製品は、その売れ筋の「ミックス」と「省燃費」カテゴリーに照準を当てた日本専用タイヤです。

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注目したいのは、このタイヤに採用された2つの新技術で、共にタイヤのブロックに刻まれたサイプという細い溝がミソ。サイプは、スポイト効果とエッジ効果により、主溝に水を吐き出しウェットグリップを改善する効果を担っています。

まず「ダブルウェーブサイプ」は、三次元に刻まれた隣り合ったダブルウェーブサイプにより、隣り合うブロック同士ががっちりかみ合い支え合いながら、ブロック全体の変形を抑制し、高い剛性を保つことで、変形による接地面積の減少を抑え、接地圧の均等化を実現。それによって、路面の状況を問わず、優れたトラクション/グリップ性能を発揮し、ロングライフ性能ならびに耐偏摩耗性能を実現するというのだから、なかなかスゴいサイプです。

Double Wave Sipe_XZN.jpg

もう1つの「レインドロップサイプ」もミシュラン独自の先進テクノロジーで、ひと呼んで「自己再生する溝」。各トレッドブロック中央部の溝底部に円筒形の通路が隠されており、摩耗末期になると隠れていた通路部分が開き、ブロックの中央に新しい溝として現われてくるというもの。ちなみにレインドロップとは、この円筒の断面がレインドロップ形状であることに由来するそうです。80%摩耗時でもウェットグリップ性能を10%向上させることが出来る、安全性に寄与する技術です。

Rain Drop Sipe_XZN.jpg

確かに、摩耗したタイヤをいつまでも履いていないで、新しいタイヤに履き替えるに越したことはない……。しかし、大手はともかく、中小・零細の運送会社では、ドライバーが「そろそろタイヤを交換して欲しい」といっても「もう少し辛抱してや」で終わっちゃうこともままあるし、実際、「フルロード」で連載してもらっているタイヤレスキューの矢板大輔さんのブログなんか拝見していても(http://blogs.yahoo.co.jp/tyreya24/19689179.html)、坊主どころか、トレッドの下のワイヤーがむき出しになったタイヤを履いているクルマもいるわけで、摩耗末期のタイヤの安全性をいかに維持するかは現実的な問題でしょう。このレインドロップサイプの考え方は、リグルーブと並んで、いかにもミシュランらしい技術だと感じた次第です。 (キャップ)

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