偶然の出会い その2

偶然の出会い その2

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ルイジ・コラーニは、ドイツ・ベルリン出身の工業デザイナーで、いわゆる「バイオデザイン」と称される、生き物の持つ曲線をモチーフにしたデザインが彼の真骨頂。日用品から都市に至るまでデザインの守備範囲は幅広いが、やはり最も多く手掛けているのが自動車や飛行機、船舶などの乗り物のデザインである。中でも一連の流線型のコンセプトトラックは、ルイジ・コラーニのデザインが凝縮した彼の代表作といえるものだ。

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ドイツのカールスルーエの広場に置かれていたトラックは、銀色のトラックがメルセデス・ベンツベースのバルクタンカートラック、白色のトラックがDAF3000エアロだと思うが、共に2000年に発表されたもの。日本でルイジ・コラーニのブームが巻き起こったのは1980年から1990年代の前半だったと記憶しているが、確かに現代のデザイントレンドからは「時代遅れ」であることは否めないものの、やはり、かつてのワクワクドキドキがよみがえる、私の大好きなコンセプトトラックであることに違いはない。

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そんなトラックがなぜこんなところに……? トラックを見てまわり、さらに広場の奥に行くと、そこには展示場のような建物があり、何と「ルイジ・コラーニ展」を開催中だった。これは是非見なければならないと、チケットを買おうと思うのだが、誰もいない。「もしも?し、誰かいませんか?」と言うと、奥から白いタートルネックのセーターを着たオジさんが「ハイよ、待っててくれよ、いまモギリのオバさんがいないんでよ」と言いつつ、チケットを売ってくれた。
ん? どこかでみたような人だな。ん?んん? まさかまさか?

そうなのである、「ルイジ・コラーニ展」のモギリのオジさんは、何とルイジ・コラーニ本人だったのである。確か80歳近いはずだが、葉巻なんぞくわえて、なかなかダンディである。憧れのデザイナーにこんなところでこんなにも簡単に出会うことになるなんて、信じられない経験である。「写真を撮ってもいいですか?」と尋ねると、「おう、いいよ、でも高いぞ」なんて冗談を言う、結構気さくな人なのである。しかも、ルイジ・コラーニ展の土産物のグッズも彼が売っているので、モギリ兼店番のオジさんなのである。

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その「ルイジ・コラーニ展」は、何と表現したらいいだろう、レトロな未来を見るような、やはり「時代」を感じさせるものだったが、「自然は最高のデザイナーである」という彼の言葉が示すように、そこには不変のデザインのエッセンスも感じられ、やはりルイジ・コラーニが偉大なデザイナーであることは間違いないと思ったものである。(了)

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