重厚でスタイリッシュな新型いすゞフォワードFVZに試乗! カミンズ6.7リッター直6エンジンの実力は!?

重厚でスタイリッシュな新型いすゞフォワードFVZに試乗! カミンズ6.7リッター直6エンジンの実力は!?

小排気量とは思えない走りっぷり!

フル積載でGVW20トン状態のフォワードFVZに乗る。さすがに余りあるトルクではないが、DB6Aエンジンは「6.7リッター」というイメージからくる先入観を軽く覆す強心臓だった
フル積載でGVW20トン状態のフォワードFVZに乗る。さすがに余りあるトルクではないが、DB6Aエンジンは「6.7リッター」というイメージからくる先入観を軽く覆す強心臓だった

 FVZの試乗車は、300PSエンジンと9速AMT・スムーサーGxを搭載したホイールベース5560mm(Q尺)、前輪255/70R19.5・後輪245/70R19.5という前後異径タイヤを履いたシャシーでした。上モノは平ボディ架装で最大積載量は12400kg。この積載スペックはギガCXZでは得られません。

 試乗時はフル積載のGVW20トン状態、さすがに「あり余るトルク感」はありませんが、9速スムーサーFxの回転制限機能付きエコノモード(省燃費モード)での転がりだしは鈍さを感じさせるものではなく、アクセルを踏み込んだ際の加速にも重苦しさがありません。平地ではエンジン回転数の上昇を抑えつつも、排気量を意識させない走りっぷりでした。それをもたらしたのは、DB6Aでは高筒内圧燃焼で動力性能を引き出す(=燃費性能にもつながる)……という燃焼設計を採用しているからです。

 また、AMTは小排気量エンジンを走らせやすくするデバイスでもありますが、新型FVZの9速スムーサーFx(FRR~FTRのスムーサーFxとは異なりギガのスムーサーGxと同様のクラッチ断接メカニズムを備える)は、その制御が洗練されていて、煩わしさを感じさせないのも良いところです。

 いっぽう手動変速モードを試してみると、停止状態からレッドゾーン手前の2400rpm近くまで回しても歩みは鈍く、シフトアップしても速度があまり伸びないなど、同じトランスミッション?同じギア比?と疑いたくなるほど対称的な表情をみせました。手動変速モードは低いギア比で確実にクルマを引っ張りたいときに活用するモードといえます。

 新開発シャシーは、GVW20トンをガッシリ支えるような剛性感があり、中型増トンの上限というギリギリ感はありません。フル積載だと総輪リーフサスの乗り心地も実に快適です。試乗車には、パッケージオプションで装備される全車速車間クルーズ(FACC)、車線維持支援機能(LKA)、EDSS(ドライバー異常時対応システム)車線内自動停止機能をもつことから、必然的に電動アシスト機構付油圧パワステも備っていたため、直進が保ちやすくもありました。

 なお、試乗車として供された個体は、実はいすゞが開発業務に用いている量産試作車で、正規の市販車とは異なる部分がありました。キャビン内もベッドを置いていない状態で、そのためエンジンの透過音がかなり入ってくるのですが、思いのほかエンジン音は軽くまろやかで耳障りではなく、ターボの金属音が目立たないので、市販車のキャビンは居心地がかなり良いのではと思います。

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