間もなく2024年も終わろうとしていますが、「2024年問題」はどうやら積み残しのまま年を越しそうです。
もちろん、さまざまな要素が複雑に絡み合い、長年の慣行の上に成り立ってきた業界ですから、一朝一夕に「2024問題」が解決するわけもなく、一つ一つ地道に対処していくしか手はないように思います。
そんな中、長距離ドライバーにとって超切実なのが駐車場所にまつわる問題です。良かれと思って立てた法規制なんでしょうが、現場ではかなり不評です。
最前線の現場を支える下請け運転手の声を聞いて欲しい。
文/長距離ドライバーひろしさん・写真/「フルロード」編集部・NEXCO中日本
*2024年9月発行トラックマガジン「フルロード」題54号より
シワ寄席は全部現場の運転手に!
ドライバーの皆様方、いかがお過ごしでしょうか? まぁ~「働き方改革」のおかげで1日の拘束時間が短くなり、運転できる時間も上限があり、休息も長く取らないといけなくなったので「身体が楽になった」という一部のドライバーもいることでしょう。
しかし、というか「んー、まーそーなるわな」と、少し考えたらわかりそうな問題も起きています。まず、休息9時間以上、一日の拘束時間13時間まで。コレのおかげで夕方くらいから高速のPAやSAにトラックを停めるのはかなり厳しい状態になっています。
そりゃそうですよね! 休憩を取るために停まる必要あるんですもんね。「働き方改革」の名の下にトラックすべてがコレをしなけりゃいけないので、PA・SAが激混みするのは当たり前でしょ。かといって駐車スペースは以前と変わりません。変わらないどころかNEXCOは「長時間の駐車は止めましょう」だって!
NEXCOの「60分駐車マス」という謎の駐車枠、なんかそれ意味あります? また、東名高速(下)豊橋PAに予約制の有料枠とかもありますが、一度近くを通る機会があれば見てみて下さいよ。
僕はそこが完成してから一度たりともトラックが停まっているのを見たことありませんから……。もーね、国が「停まれ」と言っておきながら、停める場所がない。シワ寄せは全部現場の運転手です。
「430休憩」の弊害も
連続運転に関してもそうです。「430」が駐車場をトラックで溢れかえらせている原因のひとつだと思います。なんのデータを元に「連続運転は4時間まで」ってことになったのか根拠を示してもらいたい。
長距離運転しているとリズムみたいのがけっこう大事になる。リズム感とゆうか自分のその日の調子ですよね。杓子定規に4時間運転して30分停まる、また4時間運転して30分停まる。機械じゃないんだから、その日の体調や調子によって、毎回計ったように集中力が続くとは限らないんですよ。
4時間で強制的に運転を止めても、そんなアドレナリン出た状態で30分仮眠が取れるわけもなく、結局スマホ触ってたりして30分過ごす。で、今度は2時間もしないで睡魔が襲ってきて、停まって仮眠する。
途中でリズムを崩したために、こういった状態に陥ってしまった経験は、運転手なら必ずあるはずです。自分のペースを乱されることほど、運転手、特に長距離運転手にとってキツいことはないんですよ。
それで「430」なんてシステムを作っておいて、「4時間以内に止められない場合は30分の猶予」だって? PA・SAにトラックが停められないってわかってやっているでしょ? それならば「4時間以内」って根拠がそもそも崩壊していませんか? それっぽい有識者らが思いつきで考えた法律としか思えません。
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