米国在住 なでしこトラッカーの元気日記「PUNKにまかせろ!」 No.38

米国在住 なでしこトラッカーの元気日記「PUNKにまかせろ!」 No.38
セキュリティーガードの思い出 Part2
みなさん、こんにちは。
今回も前回に続いて、私が以前少しの間だけセキュリティーガードをしていた時の経験をお話したいと思います。
その日の夜は精神科の病院が勤務場所でした。
とはいっても病院内の警備ではなく、刑務所で自殺未遂をしたある人が一命をとりとめた後に精神科へ移され、ある期間だけの間だけ悪い行為を犯さないように見張るというような内容の勤務でした。
病院へ着くとエレベーターに乗り、4階へ。扉が開くと精神科のドアがあるのですが、ブザーを押して中から開けてもらわないと開きません。
看護婦さんに案内され、さらに奥の鍵のかかった扉を開けると何人かの精神病の患者さん達がロビーに居るのが見えました。テレビを見てる人もいれば、ただ一点を見つめてじっとしてる人、大声で何か叫んでる人もいて「一体、私が担当する患者は何処だろうか?」と思ってると、その人は、ある個室の中で手と足に錠を掛けられたままベッドの上に座っていました。
看護婦さんが事情を説明して私が挨拶すると、その受刑者がこっちを見て、とても丁寧な言葉で挨拶をしてくれました。少しだけ緊張がとれた瞬間です。
状況が状況なだけに、シャワーなどもしばらくしていないのでしょう。その顔には目と鼻と口と頬が少し見える以外はヒゲで覆われていたのを覚えています。
私の仕事といえば、この個室にチェアーを置いて、ただひたすらこの人を観察すること。何か異常な行為をした時は直ちに看護婦さんに知らせて、それが酷く手に負えない場合はすぐにポリスに連絡することになっていました。
最初の1~2時間はベッドの上に横になって寝ているようでしたが、起き上がって私に話かけます。自分のためにいろんな人に迷惑をかけてしまったこと、こうしてる今も看護婦や私に時間を費やしてもらっていること、そして犯してしまった罪について・・・その時、ある他の女性の患者が部屋の前を通りかかった時、いきなりもの凄く大きな喚き声で「この人殺し!! お前なんか地獄へ落ちろ!! あはははは・・・」と言って唾を吐き出したので、少しビックリしましたが、ここは精神科。日常茶飯事のことです。
看護婦がすぐに入ってきてその女性を押さえつけようとしましたが、暴れたために3~4人で押さえつけて安定剤の注射を打たれていました。
私の担当の受刑者はというと、常に落ち着いた様子で事の成り行きを見ていました。テレビを見にロビーへ行くのも付いて行き、トイレもですが、もちろん私はドアのすぐ側。中で何かしないように話かけたり、いろんなことに気を集中させてました。 この時の勤務時間は12時間交代でしたので、結構長い間この受刑者と一緒に話もしたりしていましたが、一番良くないのは、どんなに情が移っても気を許してはいけないこと。あくまでも仕事ですから、可哀相でもルールはルール。
この受刑者の手と足には手錠が掛かっていましたが、太いチェーンが付いていて、グルグル巻きにされ、見たところ手首も足首の辺りも真っ赤になってました。そして手錠を少し緩めて欲しいと、しきりに願いを求めてきたんですね。
でも、申し訳ないけどそれは出来ないと何回も言いました。
そのうち12時間が経って交代の仲間が来たので手錠の鍵を渡し、経過報告としてあったことを全てレポートしました。
人の居ない時に警備するので当たり前なんですが、この仕事は夜通し勤務がほとんどで、体が慣れてるとはいえ眠気が襲ってきます。30分ごとの無線連絡で返事が無い警備員に対しては、眠っていたのではないかと厳しいチェックが入ります。
実際数人がファイヤー(クビ)になったのを何回か見てきました。
本当にいろんなことがありましたが、とても良い経験だったと思います。
PUNKさんのブログ「トラックドライバーPUNKのアメリカ生活日記」のURL
http://blogs.yahoo.co.jp/rhcfijhwalker
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