4トン平ボディドライバー ユミさんの「あしたに駈けろ!」

4トン平ボディドライバー ユミさんの「あしたに駈けろ!」
一期一会ふたたび その6
それからどれだけの距離を走っただろう
とある高速出口にさしかかった時 前のトラックが左のウインカーをたいたのだ
ついに名も知らぬ人とのつかの間の走行も終わりの時を迎えたようだ
私がそう思うと同時に そのトラックがハザードランプを3回程 点滅させた 
「バイバイ! またな!」
まるでそう言っているように感じた
私は軽くクラクションを鳴らしてそれに答える
「ありがとう! 楽しかったよ! お気をつけて!」の思いを込めて…
向こうも私のクラクションに気づき ホーンを鳴らす
そのトラックは 出口の闇の先にある輝く街のなかへと 消えていった
「さて、私も目的地までまた気合い入れてがんばってひとり走るとするか…」
少しさみしい気持ちを切り替え新たな気持ちでハンドルを握る
窓を少し開ける
頬にあたる冷たい風が 心地良い夜の出来事だった………
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