元ベテラン運転手 トラさんの「泣いてたまるか」No.69

元ベテラン運転手 トラさんの「泣いてたまるか」No.69
追想記(並走車1)
フルロードVOL6の、イラッとしたことの投稿を読んでいて、俺にもそんな時期があったよなっと、微笑ましく映ってしまった。と、書けば、これを読んで尚のことイラッとドライバーがいるかもしれないがお許し願いたい。投稿された諸氏は尚のことだろう。
しかしながら、イラッとすることとは、イコール危険を意味しているので、敢てこの話題を取り上げたい。
もう、20年以上前のことだ。その時の荷物が何であったのか、また、日頃国道一号線を走っている私が、その時に限ってなぜ高速を使っていたのかは、全く覚えていない。
未だ時間帯は早く、午後の八時ころだった。岡崎インターから乗用車が乗ってきたのが確認できたので、トラックドライバーの誰もがするように、その乗用車を見かけた時、右側車線に移りその車が本線にスムーズに入れるように譲った。そして、頃合いを計り走行車線の左側に戻ろうと考えていたのだが、その乗用車は右側を走っている私の左側を並走している。ウインカーを上げ、合図をしたのだが、全く気配がない。
気が付かないのだろうか? と思い、ウインカーを上げたままスピードを120km/hまで上げてみたが、同じようにピタッと真横に張り付いたままだ。やはり、気が付いていない? と、思い、後ろに走っている車がないことを確認して、今度はスピードを落としてみた。時速60km/hくらいだから、約60km/hのダウンなのだが、やはり横に張り付いたままだ。減速時にその乗用車のドライバーの顔を見たのだが、メガネをかけた若い男で一見真面目そうだった。
そして、同じ行動を2回やってみたのだが、その私をあざ笑うかのように、横について離れなかった。
車線を譲ってスムーズに入りやすいようにと、いや、本音を言えば、荷物を積んでいるトラックは、加速が大変なのでなるべく速度を落としたくないということもある。
だが、彼らにしてみれば、明らかに譲ってもらったのではないか? 「この野郎!」と思った瞬間、やってはいけない行動に出てしまった。クラクションを思いっ切り鳴らしながら、幅寄せをしていたのである。
慌ててスピードを落とした乗用車は、それ以来、かなり減速して後ろをしばらくの間走っていた。が、仕返しを考えて警戒していたのだが、通勤者だったのだろうか、次のインターで下りたのだろう、間もなく見えなくなった。
幅寄せ、それはトラックが絶対にやってはいけないことなのは言うまでもないことだ。このことを思い出す度、自己嫌悪に陥っていた。
トラさんのブログ「長距離運転手の叫びと嘆き」
http://www.geocities.jp/boketora_1119/
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