トラックドライバーの誇り その60
今朝六時過ぎに出発する彼女が部屋を出るのに合わせたように、大粒の雨がポツリポツリと落ちてきた。その時点では雨脚は大したことなかったのだが、彼女が空港行きのバスに乗り込み出発した後、ザッと降ってきた。だが、その雨もすぐに止み、今は晴天になっている。
今度は、4か月後にしか会えない、彼女との四日間の逢瀬を惜しむ涙雨だったような……。と、ついセンチになりそうな寂しがり屋の自分の顔が、垣間見えた今朝のひと時だった。
若い頃の恋愛は、行け行けどんどんで、若さゆえの熱情が勝り、現実の壁を考えなくてもやっていけるものだ。しかし、私のような年齢になると、恋愛も現実との調和の中でしか考えられなくなる。
彼女と知りあえたのは、長距離トラックドライバーであったからなので、過去の仕事の恩恵ともいえる。だが、同時に過去のしがらみが、二人の恋愛の中にはあるのは当然だ。二人とも、別々の家庭を持ち、別々の歴史を刻んできた。そして、それが消えた途端、恋愛の渦中に入ってしまった。自然の成り行きだったのかもしれない。
今度会えるのは、たぶん九月になるのだろう。それまでに、少しでもお互いの成長した姿で、そして未来を確固たるものに近づけていることに期待したい。
現実との調和は、何も男女関係だけではない。業界同士でもそのような関係はある。
過去の歴史の偶然の繰り返しが私と彼女を結びつけたが、運送業界とトラックメーカー、ディーラーは、過去の必然性から結び付けられている。お互いに切っても切り離せない関係なのは言うまでもない。
トラックメーカー、ディーラーと、そして運送業界は職種としては全く別物だ。だが、これほど密接に関係のあるものはそんなに多くはないだろう。
私がここで何を書きたいか、何を訴えたいかは、メーカー/ディーラーの方々はおわかりだと思います。はじめの第一歩から、そして、特に最終段階では、運送業界の再構築には欠かせない存在だというのは、私が何も語らなくても十分承知のことだと思います。
別の道を歩んでいても、運命共同体のあなた方です。言わば夫婦同然の関係のあなた方に、きれいごとは申しません。ただ、お互いに必要不可欠な存在だということだけ忘れることなく、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
トラさんのブログ「長距離運転手の叫びと嘆き」
http://www.geocities.jp/boketora_1119/
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