元ベテラン運転手 トラさんの「泣いてたまるか」No.56

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トラックドライバーの誇り その54

みなさん! トラックドライバーの誇りって何ですか? 誰が答えられるでしょうか。今の現実の前に、誇りなんて持てないからです。
子供が、トラックドライバーに憧れて、それを大人になってからでも持ち続けられる職業にならなければ、その誇りなんて、ないも同然です。

「長距離運転手の叫びと嘆き」を開設以来、多くの方々からご意見をいただきました。しかし、全部が水屋の弊害を説き、新しいネットワークや組織作りの話でしかありませんでした。それでは、一部の運送会社にしか恩恵はなく、また、そのようなネットワークもネットを使った仕事のやり取りも存在します。ですが、現状は何も変わっていません。
根本的には、法律によって業界を改革するしかないと常々考えていました。それが実現して、休憩・休息をとり、一家団欒の家庭を持ち得て、人間らしい仕事、そして生活ができるようになってこそ、本当の意味での「トラックドライバーとしての誇り」が持つことが出来ると考えていました。
そして、誇りの持てる職業にするには、自分たちの力でしかない。現役の時はそれを考えていました。それが、私が示している最低運賃制度です。そして、最も実行しやすい方法がネットであることも考えていたことです。

しかし、私自身はこの業界に失望していました。年齢的にそのようなことをしても意味があるのかどうか……。私自身にその見返りの恩恵はないはずです。そして、追い打ちをかけたのが、今までにも書いたバカな嘘つきの扇動家とそれに乗りまくるバカな連中の存在です。そんな下司な者達のために、私がネットの時間で睡眠を削る意味があるのかどうか、自分自身には何の恩恵もないのに、そんな者達のために……。実際には真面目な運転手が多くても、自分に火の粉が降りかかっている現状では、気持ちが萎えてくるのが現実です。私も弱い人間のうちの一人ですから……。
本来は、行動を起こす以前に仲間を募ることを考えなければならないのですが、それすら実行に移せませんでした。結局私は、自分でフィクションの小説を書き、そのことで世間に訴えるという道を選びました。
書くことは、私にとってストレス解消であり、また次へつながる夢でもあったのです。
しかし、このフルロードへのブログ投稿を依頼された時、最初に頭に浮かんだのは、本当に誇りの持てる職業にするにはどうしたらいいかということでした。

しかし、いま現在この連載を続けながら、どれだけのドライバーが共感して実行に移してくれるのか……。また、自分がどこまで関与してよいものか……。この数日迷っていました。しかし、書き始めた以上、最後まで投げ出すわけにはいきません。また、中途半端なことになっては、連載をしてくれているキャップに対しても失礼です。
次回から、また戻ります。

トラさんのブログ「長距離運転手の叫びと嘆き」
http://www.geocities.jp/boketora_1119/

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