元ベテラン運転手 トラさんの「泣いてたまるか」No.50

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トラックドライバーの誇り その48

前回、上限運賃のことを書くつもりでしたが、書きそびれてしまいました。そこで、上限運賃に触れたいのですが、その趣旨はバブル期に天井知らずだった運賃の高騰に基づく反省です。
「運賃は取り放題」バブル期、運送関係者から発せられた言葉です。
そんなことで本当に良いのか? 私は疑問に思えました。当然です。倫理観の欠片もない彼らの思い上がりは、必ず反動が来ると思っていました。そして、規制緩和という大きなしっぺ返しが来てしまいました。
そうでなくても、企業の、いや業界全体の社会的貢献を考えてみても、そんなことがあっていいはずはないのです。

あまり、倫理観や道徳観、社会福祉などと言ってみても仕方がないので、具体論に入りましょう。
下限運賃という保障制度を導入してもらったからには、荷主の保護目的の上限運賃があって然るべきです。なぜなら、荷物に対して運ぶトラックを探す段階で発生するのが、運賃の高騰なのです。この段階での値上げは、実際に走る運送会社にはそんなに関係はないのです。もちろん、全てではありません。「その運賃じゃ走れない」そのように言った運送会社もあります。
でも、多くの立場の弱い零細業者は、取引先の運送会社の言いなりでした。多くは、水屋同士の駆け引きから生じた結果です。

さて、上限運賃はどのようにして決めればよいのか?
それは、私よりも実際に携わっている方の方が詳しいでしょう。下限運賃から2割増なのか3割増なのか、その辺りは私のもよく分かりません。
ただ、私に間違いなく言えるのは、下限運賃設定によって水屋の在り方が大きく変わります。現在のような荷主から、または荷主から一貫システムで委託された業者から出る運賃の4~5割が水屋のピンハネに回っているといういびつな現象は解消されるはずです。
次回は、その水屋がどう変わるのかに話を戻したいと思います。

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トラさんのブログ「長距離運転手の叫びと嘆き」
http://www.geocities.jp/boketora_1119/

 
 

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