トラックドライバーの長時間労働の要因の1つとしてあげられるのが積込み・積降ろし先での長時間待機である。
これに対して、デジタル技術による物流の効率化、すなわち「物流のDX化」によって待機問題を是正するためのトライアルが始まっている。
Hacobu社のトラック予約受付システム「MOVO Berth(ムーボ・バース)」と呼ばれるサービスを導入したユニエツクスNCTの事例をみてみよう。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真・図/Hacobu、フルロード編集部
トラック予約受付サービスを導入したユニエツクスNCT
ユニエツクスNCTは、日本郵船のグループ会社として、港運事業、物流・倉庫事業、整備事業を展開している総合物流会社で、港運事業と物流・倉庫事業は、国内では東京・横浜・神戸に拠点を持ち、海外との輸出入貨物を取り扱う物流関連サービスを展開している。
このほどトラック予約受付サービス「MOVO Berth」を導入した六甲輸出入センターでは、低高床式構造を利用した迅速な荷捌きを得意とし、倉庫前の広いグランドスペースを活用して長尺物・重量物などの多種多様な貨物も取り扱っている。
これまで同センターでは、受け入れ車両の待機時間が大きな課題になっており、2~3時間の長時間待機が慢性的に発生していたという。
その要因として、アナログな書類対応があげられ、ドライバーが荷役受付時に持ってきた輸出書類を確認してその場で書面を作成するかたちで進めていたため、多くの時間を要していた。
加えて、庫内作業については、事前にどのような荷物が搬入されるのか、いつ到着するのかなどの情報がわからず、トラックが到着してからでないと受入準備が万全にできない状況で非効率になっていたことも大きな課題となっていた。
こうした効率の悪さからドライバーから不満の声が上がることも多く、また、目前に迫る物流の「2024年問題」への対策も必要だったことから、MOVO Berthの導入に至ったという。
2時間を超える長時間待機を大幅に削減!「MOVO Berth」の効果
では実際にトラック予約受付システム導入の以後、どのような変化があったのだろうか?
六甲輸出入センターではMOVO Berthをバース予約管理ツールとして活用することで、どのような荷物がいつ来るのかが事前にわかるようになり、フォークリフトと連携し荷受け準備を行なうといった庫内作業の効率化が行なわれた。
これには事前に翌日の作業量を把握できるため、過不足なく適切な人員配置を行なうことができるメリットもあったそうだ。
いっぽうドライバー側の変化としては、導入当初は15%の予約率だったが、今ではスポット便と路線便を除くと過半数のドライバーが予約を実施し、これまで2~3時間ほどあった待機時間は平均30分以内と大幅な削減に成功したという。
また予約管理ツールの導入以前は、車両の受付は早い者勝ちであったことから、遠方のドライバーの中には前日から並ぶといった向きもあったようだが、導入後は規定の時間に来訪するようになったという。
コメント
コメントの使い方上の人間の話を聞いて記事にしても無駄。どこかで時間潰して、予約した時間に来いシステム?。そこでの待機時間が減るだけ。けっきょく同じこと。欲しいのは、予約なんてしなくても・・・着いたらすぐ積める&着いたらすぐ下ろせるシステム。