冷凍車大手の東プレ(製造)/トプレック(販売)は、2022年9月13日(火)〜17日(金)まで東京ビッグサイトで開催された「国際物流総合展2022」に、同社初となる2コンプレッサー方式の軽トラ冷凍車を参考出品した。
ダイハツ工業と共同開発したもので、これまでエアコンと冷凍機を1つのコンプレッサーで駆動していたものを、2つのコンプレッサーで駆動することが可能。これによりエアコンと冷凍機の同時使用が可能となり、ドライバーの負担を軽減する。
ドライバーにも荷物にも優しい次世代の軽トラ冷凍車の秘密に迫る!!
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
【画像ギャラリー】これで真夏の配送業務も快適!! 2コンプレッサー方式の軽トラ冷凍車のディティールをチェック!!(11枚)画像ギャラリーエアコンと冷凍機の同時使用が可能
一般的なトラックベースの冷凍車は、運転席のエアコンを駆動するためのコンプレッサーとは別に、冷凍機を駆動するためのコンプレッサーを搭載している。これが2コンプレッサー方式と呼ばれているものだ。
いっぽう、軽トラックベースの冷凍車は、運転席のエアコンを駆動するためのコンプレッサーで冷凍機も駆動する、1コンプレッサー方式が一般的。エアコンと冷凍機の同時使用はできず、エアコンを止めて冷凍機を回すか、冷凍機を止めてエアコンを回すかの2択である。
ただ、真夏の車内でエアコンが使えないなんて、どう考えてもキツイ……。営業を担当しているトプレックには、ユーザー(=運送事業者)から「2コンプレッサー方式の軽トラ冷凍車をつくってほしい」という声が多数寄せられていたという。
そこでダイハツ工業とともに共同開発したのが、今回の軽トラ冷凍車である。ベース車両はハイゼットトラックの汎用シャシー(3BD-S510P-TBRF)だ。
独自のエンジン過負荷防止機能を搭載
冒頭で述べた、トラックベースの冷凍車(2コンプレッサー方式)は、ベルトでエンジンの動力を取り出して、冷凍機用のコンプレッサーを回している。エンジンの排気量が大きいので、影響は小さく、多少燃費が悪くなる程度という。
しかし、軽トラのエンジンの排気量は660ccと極めて小さい。エアコン用と冷凍機用の2つのコンプレッサーを同時に回すと、エンジンの負荷が大きくなり、加速が悪くなったり、エンストしたりする恐れがあった。
そこで今回の車両では、エンジンの負荷が一定値を超えた場合、一時的に片方のコンプレッサーを停止させる機能を搭載したという。
また、トラックタイプの冷凍車は、あらかじめ冷凍機用コンプレッサーを架装するためのスペースを確保した「冷凍車専用シャシー」をベース車両に使うが、軽トラにはその設定がない。
そこで今回は、汎用シャシーを選択した上で、「冷凍機用コンプレッサーを搭載するため架装スペースを設ける」ではなく「もともと空いていたスペースに収まるように冷凍機用コンプレッサーを設計した」という。
そのため現時点ではハイゼットトラック専用だが、東プレ/トプレックでは将来的にスズキ車への展開も検討中だ。なお、スズキは、他社と共同で2コンプ式の軽トラ冷凍車を販売している。
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