ダカールラリー2016 日野チームスガワラの戦い №16

ダカールラリー2016 日野チームスガワラの戦い №16
2台揃ってロザリオにゴールし排気量10リットル未満クラス7連覇を達成  2号車が総合上位に食い込み、日野レンジャーの高い能力を実証  
 
16日、ダカールラリー2016は最終行程のヴィラ・カルロス・パス~ロザリオ間で180㎞の競技を行ない、その後のリエゾン(移動区間)でロザリオにゴール。市内の史跡「モニュメント・ア・ラ・バンデラ」前でゴールセレモニーが行なわれた。日野レンジャーを駆って日本から唯一トラック部門に参戦した日野チームスガワラは、2号車菅原照仁/杉浦博之組が累積順位の総合13位/排気量10リットル未満クラス1位、1号車菅原義正/高橋貢組が同じく総合31位/クラス2位の成績を挙げ、同クラスの7連覇達成をワン・ツーフィニッシュで飾った。また、総合順位でも13位に食い込んだ2号車は、大型のライバル勢を相手に日野レンジャーの持つ高いポテンシャルを改めて実証した。 
 
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ゴールでアルゼンチン日野の関係者らとともに記念写真におさまる日野チーム  
この日はコルドバ近郊のヴィラ・カルロス・パスからリエゾン(移動区間)で131㎞離れた山間地に移動したあと180㎞の最終SS(競技区間)が行なわれた。この区間は主に山岳路で構成。トラックには不向きなツイスティな場所も多かった。日野チームは2号車が総合16位/クラス1位でゴールする一方、1号車は110㎞地点で路面が掘れていて通れず先行するトラックが立往生していたためにタイムロス。結局総合40位/クラス3位でゴールし、その後再び387㎞のリエゾン(移動区間)でロザリオへ到着した。 
ゴールポディアムが設けられたのは、2014年大会のスタート時と同じパラナ川に面したバンデラの塔の前。トラック部門の到着時間は遅く、夕方の日が暮れ始める頃となったが、メカニックたちをルーフ上に乗せた日野レンジャーが到着すると大きな歓声が沸いた。壇上に上がった選手たちは日本から駆け付けた日野自動車の市川正和会長とがっちり握手をかわし、13ステージ15日間の全日程が終了した。 
日野自動車 市川正和会長/今回もしっかりと結果を出してくれました。照仁さんはまだ上位に行けるような気もしますが、ともあれサポートを含めてチーム全体に感謝しています。ダカールラリーを始めてもう25年、と思うと長いですが、菅原さんたちはよくここまで活動を続け、まとめてくれたなと思っています。 
菅原義正/難しい大会をゴール出来て幸せです。多くの人たちがゴールに出迎えてくれて嬉しい。今回は久しぶりにスタックを喫したのが印象的。まだまだ頑張ります。応援してくださった方々、どうもありがとうございました。 
高橋貢/今日のSSは110㎞地点で道が掘りかえされて通行不能に……。多くの先行車が詰まっていて1時間20分くらい立往生しましたが、地元の人が裏道を通してくれてなんとかクリアしました。初めてのダカールはまだ終わる気がしなくて、明日になったらラリーがスタートしそうに感じます。 

菅原照仁/今年は日野自動車がダカールラリー活動を始めて25年目の節目に……。その重みを感じながら走ってきました。車両の改良も奏功してライバルのしっぽを掴んだ気持ち。次にやるべきことも分かりましたので、将来に向けても良かったと思います。 
杉浦博之/今日のコースは山の中でツイスティなピストで、ハイスピード区間はほとんどなし。雨の影響で滑りやすいところもあり、一度スピンしてしまいました。今大会としてはトップ10に入りたかったですがあと一歩及ばず。でも上位勢とは僅差の戦いが出来るようになってきたので、今後が楽しみです。 
鈴木誠一/全体としてSSの順位が良くなり、ポテンシャルが上がっているのを感じました。足回りの補修もフロントの前側ブラケットの溶接はがれ程度で済んで良かったです。 
田極正樹/あっという間でしたが楽しかったです。ばたばたで寝る時間もないなど大変なこともありましたが、このメンバーで整備が出来て良かった。日野レンジャーをゴールさせられて嬉しいし感謝しています。 
近藤匡人/実にいろいろなことが起きるのがダカールだと知りました。それらに一つ一つ対応していくことが大切です。また、これまでは自分のために整備の仕事をしてきましたが、今回ドライバーのために整備するという初めての体験が出来、成長出来たかなと思います。 
外池望/ゴールを見てこれで終わりだと思うと、色々こみ上げてきました。大変ではありましたが、やりがいがありました。ダカールラリーの現場は来てみたかったところなので、夢をかなえてくれた方々に感謝しています。 
坂口英之/長いようであっという間の2週間でした。キツイ面もありましたが、チームワークで乗り越えてきました。ゴールを見て感無量です。 
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バンデラのモニュメントの前を行く1号車  
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ポディアムに到着した1号車  
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メカニックたちとともにポディアムに到着した2号車  
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ポディアムに上がった日野チーム  
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市川会長とともに結果を祝う日野チーム  
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日本から駆け付けた日野自動車の市川会長と握手する菅原義正、高橋貢  
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菅原照仁、杉浦博之組の結果を讃えた市川会長  
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胴上げされる菅原義正 
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ダカールラリー2016ルートマップ

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