安全装備も進化中
最新のトラックはドライバーが運転に集中できるように様々な運転支援システム(ADAS)を搭載している。先進技術による安全装備は危険を早期に検知し、適切なタイミングでブレーキをかけ、ドライバーの注意力を維持するのに役立つ。
第2世代のeアクトロスに搭載される安全コンセプトは実績のあるシステムをさらに発展させたものとなっており、eアクトロス600およびアクトロスLで新たに導入された電子プラットフォームはデータ処理能力を以前の20倍に高めた。
6個のセンサーにより車両の周囲270度をカバーし、SAEレベル2相当の「半自動運転」機能を含め、EUの新GSR(一般安全規則)が定める法定要件をはるかに超えた安全水準を達成している
なお、GSRは2026年にも強化される予定で、こうした将来の規制にも準拠するようシステムが拡張されている。例えば「アテンション・アシスト2」は赤外線カメラによりドライバーの瞳孔を監視しており、これによって得られた視野角を計算し、交通状況への注意が散漫となっているドライバーには警告を発する機能だ。
車線の維持や、ドライバーの動作、ステアリング操作などのパラメータに基づきドライバーの疲労を監視するシステムも組み込まれている。
自動ブレーキは各センサーの情報を統合するフュージョン技術により検出精度が向上し、危険な状況にさらに迅速に対応できるようになった。歩行者保護のためのパラメータを改善したほか、自転車の検出強化、コーナーリング応答の改善などを通じて、時速90kmまでの速度域で事故防止を図るという。
BEVポートフォリオの進化と柔軟な製造工程
メルセデス・ベンツ・トラックスは2021年に初代のeアクトロス300/400を導入した。当初は主に集配送用の大型トラックで、1年後にゴミ収集車用となる「eエコニック」が発売された。
2024年末に量産を開始したeアクトロス600から第2世代型BEVトラックとなり、建設業界向けの「eアロクス400」も2026年に発売される予定だ。このたび発表されたeアクトロス400とともに、eアロクス400も主要コンポーネントをeアクトロス600と共有している。
アクトロスやアロクスなど、メルセデス・ベンツのいわゆる「Aシリーズ」は同社ヴェルト工場で製造されている。eアクトロス600と同様、eアクトロス400もディーゼル車と同じ既存の組み立てラインで製造され、BEV特有の部品も同じラインで取り付けられる。
ラインの最後でシステム全体の確認が行なわれ、仕上げ工程と最終検査を受けるのは他のトラックと同じだ。
このように新世代BEVモデルではすべての組み立てが同じホールで行なわれている。従来のeアクトロス300/400やeエコニックは、一度製造ラインを出て、同じヴェルトにある「フューチャートラックセンター」で電気駆動部品の取り付けを行なっていた。
また、マンハイム、カッセル、ガッゲナウの各工場も新型eアクトロスの生産において重要な役割を果たしている。これらの工場は電動アクスル、トランスミッション部品、電気関係の部品、フロントボックス(内燃機関ではエンジンがあったスペースに設置される、電気駆動用の部品をまとめたコンポーネント)などBEVの製造に必要な部品を供給しており、拡大するBEVポートフォリオを支えるため製造面での最適化も進められている。
【画像ギャラリー】車型展開や安全装備も充実するダイムラーの第2世代BEV大型トラック(12枚)画像ギャラリー













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