ドイツのトラックメーカー・MANがソーシャルメディアで呼び掛けていた、欧州で最も長い距離を走った同社製トラックを探す「MANトラック・マックス・マイレージ・マスター2025」の受賞者が決定した。
優勝車の2008年製MAN「TGX 18.360」は、月までの距離の8倍に相当する320万kmを走り、今も現役で長距離輸送に使用されている。稼働率の高い2マン運行が長いマイレージの理由だが、車両の耐久性と適切なメンテナンス、優れた運転技術がなければ実現しない走行距離だ。
なお優勝者には電動のMAN「eTGX」によるアルプスツアーが贈られたそうだ。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/MAN Truck & Bus
メーカーが走行距離の長いトラックをSNSで募集
17年間で320万km以上を走ったトラックが今もなお現役だ。
フォルクスワーゲンの商用車部門・トレイトングループに所属するMANトラック&バス(ドイツ)は、欧州で最も長い距離を走った同社製トラックを探す「MANトラック・マックス・マイレージ・マスター2025」の受賞車を2025年9月17日に発表した。
ソーシャルメディア(SNS)を通じて実施されたコンペティションの優勝車は、3,266,208kmを走行した2008年製のMAN「TGX 18.360」だった。これは地球と月の間の距離の約8倍に相当する。新車時からずっとヘルムート・ヘックマン氏の運送会社が所有しているトラックだ。
MANトラック&バスの取締役でセールス&カスタマーソリューションを担当するフリードリヒ・バウマン氏は次のように話している。
「優勝おめでとうございます。そして、SNSで呼び掛けたこのイベントに参加し、弊社のトラックに対する情熱と体験を共有してくださったすべての皆様に感謝申し上げます。
MANのトラックは100万km以上を走行することも珍しくありません。これらのトラックがドライバーの日常において頼れるパートナーであることを、参加車両が見事に証明しました。
これは最新型ディーゼル車の「パワーライオン」パワートレーンにも受け継がれています。もちろん、総重量12トンから50トンまでラインナップするバッテリーEVトラックも同様です。お客様はこれからもMANを信頼していただけるでしょう」。
長いマイレージの秘密は2マン運行による稼働率の高さ
イベントはソーシャルメディアを通じてオンラインで呼び掛けられていたもので、欧州全土の2007年以降に製造されたMANトラックが対象とされた。
70を超える応募があり、その多くが走行距離100万kmオーバーだった。モデルイヤーは2007年から2019年まで様々だった。これらの車両の走行距離を合計すると約7500万kmになる。これは月と地球を100往復できる距離、あるいは地球を1800周できる距離に相当する。
欧州全体で88万台が走っているMANトラックの耐久性とパフォーマンスを印象付ける数字だ。
驚くべきことに、320万km以上を走行した優勝車は今も現役のトラックで、長距離輸送に使用されている。
これほどの距離になった理由は2マンで長距離輸送を行なっているためだ。2人のドライバーが交代で運転するので稼働率が高く、走行距離が伸びた。2マン運行は稼働率が高い分、車両への負荷も大きいが、優勝したヘックマン氏は次のように話している。
「こんなに長い期間、長い距離を同じトラックで走り続ける会社が他にあるのか、興味がありました。稼働率の高さと走行距離の長さは、1台のトラックを2名のドライバーで運行する2マン運行によるものです。
車両の品質と、適切なメンテナンス、そして優れたスタッフに恵まれたことで車両のダメージを回避できました。道路において信頼できるのはMANのトラックです」。
優勝者には最新型のBEVトラック「eTGX」による体験が贈られた。eTGXでのアルプスツアー、2泊3日のミュンヘン旅行と同社ミュンヘン工場の見学、250ユーロ相当の記念品などが含まれているそうだ。
【画像ギャラリー】「MANトラック・マックス・マイレージ・マスター2025」参加車両の一部(7枚)画像ギャラリー
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