エルフCNG-MPIは地産地消ガスに適した配役

小型充填機は、NGV用として欧州で普及している装置を輸入したもので、実証のために行政から特別に認可を取得、実証当日の一日に限って使用が認められたという。
実証に用いられたクルマは、いすゞの小型CNGトラック・エルフCNG-MPI。本来の燃料は圧縮天然ガス(CNG)だが、前述のとおりバイオメタン燃料も組成はほぼ同じである。ちなみに現行モデルはまだ6代目で全面改良していないが、塵芥収集車などのベース車として用いられてきた実績があり、『地産地消』に向けた実証に相応しいクルマだと思う。
シャシーはワイドキャブ3トン積ロングボディ・フルフラットローの平ボディ車である。エンジンは、4.6リッター直噴ディーゼルエンジンをベースにオットーサイクル化し、気筒毎ポート噴射を採用した4HV1型(最高出力130PS/最大トルク36.0kgm)で、バイオメタン燃料での走行を実証してみせた。
その模様は10月7~13日にわたって大阪関西万博会場内で開される「フューチャーライフエクスペリエンス」展示でも紹介される予定だ。
近年は、自動車の電動化(EV)・水素化(FCEV)が政策や話題の中心になっているが、以前からバイオメタンや液化天然ガスを用いた代替燃料車の開発が地道に続けられてきた。いすゞ以外にも、森林資源の豊富なスウェーデンのボルボとスカニア、欧州のイヴェコなどは、その開発と普及に熱心な商用車メーカーとして知られる。脱炭素化への道は、EV/FCEVだけが正解というわけではなく、さまざまな選択肢があるべきだろう。
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