先日(2025年2月7日)のトランプ大統領との会談で石破首相が「まだ発表していない」とした上で明らかにしたいすゞ自動車の北米投資の一部とみられるが、いすゞ自動車が米国での新規生産拠点の立ち上げを正式に発表した。
最先端の生産ラインを導入し、商用車の電動化を見据えつつ内燃機関車の需要にも対応可能な生産拠点を米国サウスカロライナ州に建設し、北米事業を強化するという。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/いすゞ自動車
新たな生産拠点を設け北米事業を強化
いすゞ自動車は、北米における商用車の電動化を見据えた車両供給体制の強化を目的に、米国サウスカロライナ州に新たな生産拠点を立ち上げることを決定した。
総投資額は約2.8億ドル(約430億円)を想定しており、稼働開始は2027年中となる計画。従業員数は700人以上で、2030年時点での年間生産能力は約5万台を予定している。
新たに立ち上げる生産拠点では、商用車における中長期的な電動化の流れを見据えながら、内燃機関車の需要にも対応可能な変種変量生産方式を導入。
具体的には、いすゞグループとして初となるコンベアレス・ピットレス式を採用し、柔軟性と拡張性を備えた最先端の生産ラインとなる。また全工程での品質保証体制構築を目的に、検査の自動化による作業ミスの防止、部品のトレーサビリティ、不良品流出防止のための画像検査等を導入する。
いすゞは北米市場に1984年に参入し、2023年度は過去最高の4.4万台を販売するなど、重要市場の一つとして、ものづくり・販売・サービスに注力してきた。
今後、北米の商用車市場において中長期的に需要が増加していくことが想定されるバッテリーEV(BEV)の生産に必要な部材の現地調達化を進め、北米事業のさらなる拡大を目指す。
いすゞグループは2024年4月に中期経営計画「ISUZU Transformation – Growth to 2030(IX)」を発表し、「自動運転ソリューション」、「コネクテッドサービス」、「カーボンニュートラルソリューション」の3領域を将来の新たな収益源として、2030年代には売上高1兆円規模の事業へと拡大することを目指している。
また、IXでは北米をBEVビジネスの先駆けとなる地域に位置付け、昨年8月の小型BEVトラックの市場投入に合わせ、コネクテッドサービスの展開を開始するなど、北米事業の拡大に向けた動きを加速させている。
今後もいすゞは、市場からのニーズに合わせた技術開発・商品提供を進め、重点地域である北米での事業をさらに加速させ、グループのPURPOSE(使命)である「地球の『運ぶ』を創造する」の実現に向け取り組んでいくとしている。
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