主力はもはやバッテリーEV!? ボルボが中型トラックをモデルチェンジ!

主力はもはやバッテリーEV!? ボルボが中型トラックをモデルチェンジ!

 スウェーデンのボルボ・トラックスが、欧州市場で中型トラック「ボルボFL」および「ボルボFE」のモデルチェンジを発表した。中型トラックは都市環境での利用が多く、電動化などゼロ・エミッション輸送のニーズが特に多い車両だ。

 実際に今回の改良では、航続距離の向上や充電時間の短縮、電動PTOの設定など電動バージョンの機能向上が目立っている。欧州の中型トラック市場はバッテリーEVが主戦場になりつつあるようだ。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/AB Volvo

ボルボが中型トラックを刷新

主力はもはやバッテリーEV!? ボルボが中型トラックをモデルチェンジ!
刷新されたボルボの中型トラック。左から「FL」「FLエレクトリック」「FEエレクトリック」「FE」

 スウェーデンの大手商用車メーカー、ボルボ・トラックスは2023年11月14日、都市部での輸送に適した中型トラックの刷新を発表した。

 特にバッテリーEV(BEV)では新型バッテリーパックにより航続距離が最大450kmとなったほか、充電時間を半分に短縮した。そして、2024年に欧州で導入される新安全規則を超過達成する新たな安全機能も搭載した。

 ボルボの中型BEVトラックは都市環境向けに設計されたもので、安全かつゼロ排出で都市の輸送を行なえる。

 欧州では都市部に「クリーン・ゾーン」や「低排出エリア」などが導入されており、内燃機関車の乗り入れ規制が進んでいる。運送会社としてもゼロ排出トラックの導入を進めなければ事業の継続が困難になっており、都市輸送のニーズを満たすトラックの需要が急増している。

 こうした声に応えてボルボは中型トラックの「ボルボFL」及び「ボルボFE」を刷新した(車両総重量はそれぞれ17トン/27トンクラスの車両)。モデルチェンジはディーゼル車と天然ガスエンジン車にも及んでいるが、今回、ボルボが中心に据えたのはBEVとなっている。

 FLおよびFEは混雑する都市部での利用に適した車両で、例えば集配送、ゴミ収集、建設現場などの用途が多い。その電動バージョンは2019年から市場に投入されており、欧州のほか、中東、アフリカ、アジア、オーストラリアにも展開する(日本市場は今のところ含まれていない)。

 BEV中型トラックのAC充電(普通充電)キャパシティは43kWに倍増し、充電に要する時間がほぼ半分になった。中型トラック用のバッテリーパックは最近(2023年6月)アップデートが施されているが、当然ながら新型車にも改良された新型バッテリーパックが搭載され、一度の充電での航続距離は最大で450kmに達する。

 ボルボ・トラックスでプロダクト・マネジメントのトップを務めるジェシカ・サンドストロム氏は次のように話している。

 「ボルボ・トラックスはEVトラックで市場をリードしており、ゼロ排出トラックによる日常業務がもっと多くのビジネスで可能になるよう、常にその改善を図っています。

 刷新されたボルボFL及びFEモデルは、ビジネスの持続可能性を優先課題とするお客様にとって理想的な作業ツールであり、様々な分野で活躍するでしょう」。

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