コンテナヤード内の横持ちトレーラの運行を高度化! 国交省の港湾技術開発制度に採択

コンテナヤード内の横持ちトレーラの運行を高度化! 国交省の港湾技術開発制度に採択

 トラック用語の一つに「横持ち」という言葉があります。

 一般的には、生産拠点の工場から倉庫・物流センターに移送するような社内の拠点間で行なう貨物輸送を言いますが、同じ拠点の中での保管スペースや作業スペース間の移動を指すこともあります。

 今回の「横持ち」はこちらのケースですね。なにせ広大なコンテナヤードが舞台なので、構内での横持ちが必要。その高度化に関するニュースです。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/苫小牧栗林運輸・三井E&S・写真AC

LiDARなどにより横持ちトレーラの運転を補助

ガントリークレーンが並ぶ苫小牧港コンテナターミナル
ガントリークレーンが並ぶ苫小牧港コンテナターミナル

 苫小牧栗林運輸と日野自動車および三井E&Sの3社が取り組む「コンテナヤード内横持ちトレーラ運行の高度化に関する技術開発」が、このほど国土交通省の令和5年度港湾技術開発制度に採択された。

 同技術開発は、物流の2024年問題における労働力不足等の課題解決、労働環境の改善、将来にわたっての港湾機能の維持に向けて、令和7年度までの3年間にわたり、苫小牧港東港区苫小牧国際コンテナターミナル内において実施するもの。

 この取り組みでは、既存のターミナルオペレーションシステム(以下TOS)、運行管理システム、TOSと横持ちトレーラとの情報連携機能の開発、ならびに同車両の運転補助機能を開発する。

 この運転補助は、特定条件下においてシステムが全ての運転操作を実施するもの。特に自動運転はうたっていないが、GPSアンテナ、LiDAR(ライダー)、カメラ、車両遠隔監視装置などを搭載。ちなみにライダーとは、レーザー光を照射し周囲のものを立体的に測定する自動運転では欠かせないセンサーである。

 搭乗した監視員が周辺安全監視を行なうとともに、異常時にシステムからの警報に対して監視員が適切に対応するという。

今回の苫小牧港コンテナターミナルで行なわれる横持ち走行ルートの例
今回の苫小牧港コンテナターミナルで行なわれる横持ち走行ルートの例

 現在、ターミナル内横持ちトレーラは紙の指示書によって運行しているが、今回の技術開発によって、運転補助機能を搭載した同車が、TOSからコンテナの行き先指示を受けて運行することを目指すという。

 車両には監視員が搭乗し安全監視を行なうが、今回の技術開発を踏まえ、さらなる生産性向上と労働環境改善の効果確認と将来に向けて、この技術の活用検討を進める予定になっている。

【画像ギャラリー】苫小牧栗林運輸と日野自動車、三井E&Sの3社が取り組む「コンテナヤード内横持ちトレーラ運行の高度化に関する技術開発」(5枚)画像ギャラリー

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