実際の勤務データをもとにシミュレーション!! 海コン運転手にとって「2024年問題」ってどーなの? 

実際の勤務データをもとにシミュレーション!! 海コン運転手にとって「2024年問題」ってどーなの? 

 2024年4月からトラックドライバーの時間外労働に上限が導入され、これによっておこる諸問題を「物流の2024年問題」と呼んでいます。

 横浜港をベースとする海コン運転手のヒロさんは、2022年の実際の勤務データをもとに労働時間をシミュレートしました。拘束時間の長いイメージのある海コン運転手ですが、意外にも総拘束時間は上限規制をクリア。しかし対応が必要なことは他にもイロイロあるようです。

文/海コン運転手ヒロさん、写真・図/フルロード編集部・海コン運転手ヒロさん・厚生労働省

「時間外労働」という概念が無かった海コン運転手

時間外労働が規制されるといわれても、「時間外」にいまいちピンとこない運転手は意外と多い?
時間外労働が規制されるといわれても、「時間外」にいまいちピンとこない運転手は意外と多い?

 メディアなどで、「物流の2024年問題」なんて事が取り上げられていますが、その2024年問題の縛りを喰らうまで、あと8カ月を切りました。

 そもそも2024年問題って何なのかと言いますと、今まで労働時間に対して、比較的「なぁなぁ」な感じだった自動車運転の業務、つまりトラックやトレーラなどの職業運転手に対して、「2024年4月1日から、時間外労働は年960時間を超えちゃダメだよ」ってな規制が行なわれるって事なんですね。

 「冗談じゃねーよ! コッチはカネを稼ぎたくて運転手やってんだ! そんなもんシカトだ」なんて声も聞こえて来そうですが、これを破ると「6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科せられるおそれがあるらしいので、シカトするワケにはいきませんね。

 この2024年問題、チョットややこしい部分がありますが、厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署が発行している「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」ってな資料がわかりやすく説明してくれたので、それを基にどーゆー事なのか、簡単に紹介してみましょう。

 まずはですね「36(サブロク)協定」なんかを締結した上で、「年間の時間外労働の上限が年960時間」となります。「サブロク協定って何よ?」って感じではあるんですけど、余計にややこしくなるので、これは締結している事を前提として、話を進めましょう。

 自己紹介がまだでしたね。

 自分は、横浜港を拠点に、国際海上コンテナをトレーラで運ぶ運転手、いわゆる「海コン運転手」ってヤツをやっておりまして、この世界に足を踏み入れてから、2023年の8月で丸21年が経った、51歳のオッサンでございます。

 現在勤めている会社は、この業界に入って4社目の会社で、かれこれ11年くらいお世話になっております。今もそうなんですが、海コン運転手は基本的に「時間」でお金を貰っているワケではなく、毎月の「売上」に対してお金を貰う、いわゆる「完全歩合」で給料が出ます。

 そのため、そもそも時間外労働って認識が全くないんですよねぇ。なので「時間外労働の上限が……」と言われても「何じゃそりゃ?」って感じなんですよね。それでも2024年問題の働き方改革は適用されるので、「何が960時間なのか?」って事を知っておく必要があります。

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