ヒロさんは海コン運転手。温厚で物分かりのいいドライバーさんなんですが、「でも、ヒロさんにも文句言いたいことの1つや2つあるでしょ」と水を向けたところ……。
これがあるんですね。でも、聞けば納得。そりゃ文句を言いたくなりますよ、今日でも当時と大して変わらないっていうヤードのハマりの話なんですが、ほんと何とかしてほしいですね。
文・写真/海コン運転手のヒロさん
2013年12月発行トラックマガジン「フルロード」第11号より
海コン運転手の愚痴、いろいろあれど
自分は、国際海上コンテナをトレーラで陸送する、いわゆる「海コン運転手」と呼ばれる職業に就いているんですが、やっぱり日々仕事をしていれば、軽い「グチ」レベルの話は、そこそこありますよ。
会社によってマチマチなんですが、給料が完全歩合制みたいな感じだったりすると、各運転手に仕事を割り振る「配車係」に対してのグチって言うか、「もっと2発目の仕事を付けてもらえないっスかねぇ」みたいなお願いも出て来ますし、「え~、まだ隠しコンテナがあるの?」とか、「ダメもとで…」みたいな指示に対して「ダメなもんはダメっスよ」とか、「今から並ぶの?カンベンしてくださいよ」などのグチも出て来ます。
そして、道路を走っていれば、イロイロな人って言うかクルマが走ってますからねぇ、詳しくは書けませんけど、「周り見て運転しろよ」とか、「その運転はねーだろ」とか、「ちゃんと停止線の手前で止まっとけよ」とか、「トレーラの駐車スペースにお前らが停めるなよ」なんてのもあったりして、グチやら文句をあげたらキリがありません(笑)。
そんな中でも、文句を言いたくなっちゃう筆頭は、ヤードでのハマリでしょうか。
君知るやヤードのハマり
「ヤードのハマリ」って言うのはですね、コンテナをコンテナヤード(CY)もしくはバンプール(VP)へ搬入・返却する時や、CY・VPからコンテナを搬出する時に長時間並ぶ事を意味するんですけど、1時間なら全然マシな方で、長いと4時間くらい、1本のコンテナを搬出・搬入・返却するためにひたっすら並んでないとなんないんですよね。
まあこれは自分がメインで仕事をしている横浜港の話で、東京港だと4時間とか6時間とか並ぶことはフツーにあったんで、とても恐ろしいことになっています(笑)。
海コン業界と関わりのない方にとっては、「1本のコンテナを取ったり入れたりするのに何時間も並ぶなんて、アタマおかしいんじゃないですか?」なんて思われるかもしれませんし、まあ自分もそう思ってたりするんですけど(笑)、海コン運転手にとってそれは宿命みたいなもんなんで、並んどくしかないんです。
そんなヤードのハマリで、結構悲しい思いをすることもありまして、あれは忘れもしない、今から2年前と3年前の12月29日のことです。
この日は、いわゆる仕事納めの日で、通常であれば、チョコっと仕事をした後、事務所に上がって「今年も一年お世話になりました。来年も宜しくお願いします」なんて挨拶をして家に帰るんですけど、その年の仕事納めの日は、かわいそうなことになってたんですよね。